2023年09月06日(水曜日) 18:25 地域・まち報道特集・ドキュメント

【健康被害救済制度】新型コロナワクチン 過去45年間全てのワクチン被害認定数累計を超える~厚労省は「申請・認定件数の公表を控えるように」都道府県にメール~

新型コロナワクチン 健康被害救済制度認定数

<写真1:新型コロナワクチン 健康被害救済制度認定数>

新型コロナワクチン接種後の健康被害を訴え、国の予防接種健康被害救済制度で、ワクチン接種後の医療費・医療手当・障害年金・死亡一時金・葬祭料の支給を申請する人が後を絶ちません。「因果関係を否定できない」として認定された総数や、死亡例の認定数が、新型コロナワクチンを除く過去45年間のすべてのワクチンの認定数の累計を超えていたことが分かりました。

 

【新型コロナワクチンの健康被害について】

2つの制度の概要

 

ワクチン接種後の副反応については、2つの制度があります。ワクチンの安全性や因果関係を評価する「副反応疑い報告制度」と、被害者が国に救済・補償を求める「予防接種健康被害救済制度」です。

 

2つの制度の仕組み

 

「副反応疑い報告制度」は、主に医師など医療機関がPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)を通じて厚労省に報告します。患者が自ら副反応の疑いを報告することも可能です。また、「健康被害救済制度」は、被害者あるいは遺族が医療手当や死亡一時金など、補償を求めて自ら申請します。

 

ワクチン接種後の死亡事例の報告(新型コロナワクチン)

 

「副反応疑い報告制度」では、7月28日現在、2076人がワクチン接種後に亡くなったと報告されています。審議された事例のうち2件は、ワクチンと死亡の因果関係が認められていますが、約99.3%(2063件)が因果関係不明と評価されています。

 

健康被害救済制度の申請数・認定数(新型コロナワクチン)

 

一方、「健康被害救済制度」は、厳密な因果関係を必要とせず、ワクチンとの因果関係が否定できない場合、認定されます。8月31日現在、8667件の申請があり、4098件が認定。このうち死亡一時金や葬祭料といった死亡例210件が認定されています。申請数が多いため、審査会は回数を増やして対応していますが、全く追いついていない状況です。

 

 

現状の改善と被害者の救済を求めて 患者の会が記者会見

7月24日・厚生労働省記者クラブでの会見

 

健康被害を訴える756人の患者が登録する「新型コロナワクチン後遺症」患者の会。

全国9カ所に地方患者の会が結成され、兵庫県内でも41人の患者が登録しています。

 

「新型コロナワクチン後遺症」患者の会代表

「私自身も2回目接種後から、もう命は1週間も持たないだろうと覚悟するほどの体調不良に苦しんだ当事者となります。この体調不良は決して一時的なものではなくて、接種から1年以上も苦しみ続けている仲間が今なお大勢いることを知っていただきたいと思っています」

 

患者の会は、2023年7月、厚生労働省で記者会見を行いました。会が作成した記者会見の資料では、会員へのアンケート調査などをもとに、健康被害の症状や国の救済制度の現状などをまとめました。

 

患者の会の会員

「(7月12日~21日にかけてアンケート)94.2%の会員がいまだ審査待ちの状況です。その中には申請から2年以上経つにもかかわらず認否の連絡がない方もいます。助けてほしくて申請しているのに、国は迅速な救済と言っているのにこれでは生活苦にも陥るばかりです。私は飲食店での立ち仕事に従事しておりましたがワクチン後から働けなくなりました」

 

患者の会のアンケート調査

 

患者の会の会員

「こちらには10代の会員さん42名の症状と経過を載せております。様々な症状によって1人1人の子どもの生活がままならない状態であることがご想像できると思います」

 

患者の会は、国に対して健康被害を訴える児童、生徒、学生の実態調査や教育支援などを求めたほか、被害者の迅速な救済や職を失った生活困窮者への救済を訴えました。

 

患者の会の会員

「救済制度については地方患者の会から自治体へ公文書開示請求を行い、実際の市町村での受け付け数、国に到達するまでの期間。市や県への審査会の頻度。審査結果を受容するまでの実態データを取っていきます」

 

 

【厚生労働省「問い合わせに対して、回答を差し控えるようにお願いします」とメール】

患者の会が自治体への情報公開請求で入手したメール

 

患者の会が自ら情報公開請求を行わなければいけない背景には、健康被害に関する情報が十分に公開されていない現状があります。患者の会が自治体への情報公開請求で入手した資料があります。厚生労働省健康局予防接種担当参事官室が2022年9月26日、各都道府県に対して送ったメールの内容です。都道府県別の申請数や認定数については、「公表するのは控えてください」と記されています。個人の特定につながる恐れがあるとして、問い合わせがあっても回答を控えるように促しています。

 

兵庫県は情報を公開

兵庫県が公開した申請者一覧

 

サンテレビは、兵庫県に取材をしましたが、国の方針に従うとして回答を得られなかったため、8月10日、県内の申請数と認定数の情報公開請求を実施。県は、「効果とリスクを伝えることが接種の判断の基本」として、8月29日、申請者一覧の資料を開示しました。

 

兵庫県内では449件の申請があり、医療費と医療手当などの支給は184件が認定。このうち死亡一時金などの死亡例についてはこれまでに48件の申請があり、因果関係を否定できないとして6件が認定されています。

 

京都大学名誉教授 福島雅典医師

 

長年、薬の効果や安全性を評価する薬剤疫学の研究に携わってきた京都大学の福島雅典名誉教授は、「全例調査」の必要性を訴えます。

 

京都大学名誉教授 福島雅典医師

「全例調査というのを厚労省は制度を持っているわけですからちゃんと実施するべきですよ。本来普通は新薬が出た時には市販直後、全例調査をやってきて薬害を抑えたわけですよ。いろんな制度を整備したのを全部反故(ほご)にして今隠すことに必死じゃないですか」

 

1977年2月から2021年末までの新型コロナワクチンを除く過去45年間のすべてのワクチンの健康被害救済制度の認定数の累計です。MMRやBCG、インフルエンザ、日本脳炎ワクチンなど、3522件が認定されました。

 

一方、新型コロナワクチンについては。

 

臨床薬学博士 堀内有加里さん(7月24日の記者会見)

「過去の45年間の累計をすでに抜きそうな勢いであります。新型コロナワクチン、たった1つのワクチンがこれまでの累計を超えそうだということです」

 

新型コロナワクチンの認定総数・死亡例の認定総数が過去45年の全ワクチンの累計を超える)

 

この記者会見の1週間後、新型コロナワクチンの健康被害の認定数は、過去45年間のすべてのワクチンの累計を超えました。認定数は、8月31日現在で4098件(否認577件)。8667件と申請数が多いため、まだ半数の約4000件が審議にすら入っていません。また、死亡例の認定についても新型コロナワクチンが210件。過去45年間のすべてのワクチンの累計を上回っています。

 

京都大学名誉教授 福島雅典医師

「とんでもない話ですよ。(副反応疑い報告制度での2076人のワクチン接種後の死亡報告や健康被害救済制度での210人の死亡例の認定)厚労省にあげられた報告だけに限定しての話だけど、これは氷山の一角です。むしろこれが有事だと思いますよ。信じがたいことです。いろいろなたくさんの医療学会からそれぞれ報告されている。日本糖尿病学会、日本眼科学会、日本救急医学会、日本循環器学会。それぞれに報告が。日本内分泌学会にはたくさん報告されていますよ。そういうことは今までなかったですよ。ある新しい新薬が出て、これで被害がこうだと学会報告がポツンポツンとあったけど、こんな風にわんさかと雨後の筍のようにいっぱい出てきて何百とあるんです」

 

全国有志医師の会HPより(400を超える医療学会での症例報告や副反応に関する演題一覧

 

福島名誉教授は、被害者救済に向けてこの問題を研究する新たな医療学会(一般社団法人 ワクチン問題研究会)を設立。9月7日に厚生労働省で記者会見を行う予定です。

 

京都大学名誉教授 福島雅典医師

「きちっとした学会を立ち上げて本格的な研究調査をこれからして、ガイドラインをつくって適切に患者さんを診られるように。そして治療法を開発しないといけない。診療のガイドラインまで早急に作り上げる必要がある。国がやらないなら我々がやるということです。我々がやらなならん」

 

 

 

約99.4%が評価不能 2年半経っても変化は見られず

ワクチンの安全性や厳密な因果関係を評価する副反応疑い報告制度では、7月28日時点で、ワクチン接種後に2076人が亡くなったと報告されています。患者の会や遺族会へのこれまでの取材で、ワクチンとの因果関係を疑っても、医師から報告をしてもらえなかった事例が相次いでいるということです。

ワクチンと死亡との因果関係が認められた事例は2例にとどまり、因果関係が否定された事例が11例。全体の約99.4%にあたる2076例が「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」と評価されています。2021年2月17日から新型コロナワクチンの接種がスタートして2年半経ちましたが、報告された99%が評価不能という状況は変わっていません。

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