■初の公式戦が迫る
Vリーグ女子・ヴィクトリーナ姫路を5月に退団したミドルブロッカー・大元(おおもと)朱菜、吉岡可奈の両選手が、6月、新しいチーム「ヴィアーレ兵庫」に加入した。
ヴィアーレ兵庫はヴィクトリーナ姫路の育成チームが衣替えして、今年春に新たに発足した。
選手10名は仕事を持ちながらバレーボールに取り組む。
チームは初の公式戦「全日本6人制実業団選抜男女優勝大会」(7/1~ 大阪府)に出場するため、連日、猛練習を続けている。
■部活指導も
ヴィアーレ兵庫は「楽しくバレーボールをする」がモットー。
チームのエンブレムには姫路城と神戸ポートタワーが描かれ、活動地域は兵庫県全域に及ぶ。
2024年のVリーグ参入をめざす一方、教職免許を持った選手が中心となって中学生などへの部活指導にも取り組み、バレーボールで地域に貢献する。
また大元・吉岡両選手のように、ヴィクトリーナから退いた選手の受け皿としての役割りも担う。
3月に姫路市内で行われたチーム始動会見には、アンバサダー役を務める元・日本代表の井上香織さんと江畑幸子さんが参加し抱負を語った。
ヴィアーレとはイタリア語で「並木道」。
さらに、「ヴィーナス=選手がプレーでも仕事でも活躍できる」、「アモーレ=兵庫県民に愛される」の意味も込められている。
■同期3人が集結
姫路市内の体育館で練習に取り組む大元・吉岡両選手を取材した。
2人は1995年生まれ。
神戸市出身の大元は松蔭高-天理大とバレーを続け、東京都出身の吉岡は、強豪・下北沢成徳高から青山学院大を経て、2018年、ヴィクトリーナ姫路の実質“新卒1期生”として入団した。
ルーキー年から試合に起用され、チームのV1昇格に貢献。
溌溂としたプレーでファンの人気を集めた。
しかし吉岡は肩のケガでここ2年間、公式戦に出場なし。
大元も思うように出場機会が得られず、チーム最古参となった今シーズンでともに契約終了となり、球団社長の勧めでヴィアーレ兵庫への移籍を決断した。
ヴィクトリーナ姫路ではプロ選手だったが、今は地元の協力企業で働きながら選手活動を行う「兼業プロ」だ。
この日は、薄木(うすき)悟監督の指導のもと、実戦形式で3時間以上みっちりと練習し、2人はブロックに飛んだり、スパイクを決めたりして、汗を流した。
チームには、2人とヴィクトリーナ姫路で同期生のセッター・菅原未来もいる。
早くに引退し、球団スタッフとなっていたが、“現役復帰”して再びバレーボールに取り組んでいる。
■試合に勝ちたい!
練習を終えた大元・吉岡両選手に話を聞いた。
ーヴィクトリーナ時代と比べて気持ちは?
吉岡「全然違います(笑)。プレッシャーがなくなって、バレーが楽しい、好きだという気持ちを前面に出して練習している」
大元「私も楽しんでいます(笑)。バレーが好きだということを再確認できた」
ーヴィクトリーナ時代は?
大元「苦しいことも多かった」
吉岡「応援してもらってたのに応えられず苦しかった」
ー今後は?
吉岡「姫路でバレーを続けて、姫路を盛り上げたい」
大元「5年間、すごく姫路の方々にお世話になった。今まで培ったもので、新しいチームに貢献したい」
ーチームはV参入をめざす
吉岡「バレーが楽しいというポジティブな気持ちが技術向上や勝利につながる。そういう気持ちを一番に出していきたい」
大元「いい雰囲気で練習して高みをめざし、Vリーグで戦えるチームになりたい」
ー目標は?
吉岡「勝ちたい!勝ちたいです!」
大元「勝つ楽しさを思い出したい!」
・・・・・・・・・・・・
実業団選抜大会の初戦はV2 の「ブレス浜松」と戦う。
新しいチームで2人はどんなプレーを見せるか。
(浮田信明)