洲本市が、ふるさと納税の返礼品用に牛を「一頭買い」していた問題で、市は、事業者から請求を受けた牛1頭分の支払いについて、返礼品との照合を行わず、請求額を支払っていたことが新たに分かりました。
6月23日に開かれた洲本市議会の6月定例会。一般質問で、市が牛を一頭買いしていた問題について、質問が出ました。
生田進三議員
「請求書では牛1頭として本市が購入した形になっているものがあると思われますが、洲本市が返礼品事業者として、購入した牛を解体・精肉して本市が返礼品として寄付者の方々に贈られていたということですか?」
企画情報部長
「商品フォームに示されていた返礼品にする作業までは事業者にしていただいていた」
同じ牛の個体識別番号が重複
洲本市の6月23日の答弁では、牛の一頭買いは、2020年4月ごろから新型コロナの影響を受けた畜産農家を支援する目的で実施され、市は、淡路島にある事業者3社から枝肉65・5頭分を約9053万円で購入したということです。
しかし、請求書では、重量や質によって値段が異なるはずなのに多くの牛が1頭あたり140万円と同じ金額で表記。さらに、同じ牛の個体識別番号が重複して記されていたことも問題になっています。
生田議員
「牛と返礼品との照合はされましたか?また納品書と何らかの書類が必要と思われますが、それらの書類は提出されていますか?」
企画情報部長
「返礼品との照合はできておりませんでした。市に届け出ている商品フォームで示された返礼品に対して必要な調達との認識から請求書の添付書類としての納品書の提出は求めていませんでした」
生田議員
「照合もしていない。納品書もなく、何に実際に使われたかも明白でない物品の請求に対してなぜ支払いをされたのですか?」
企画情報部長
「事業者から提出された返礼品の商品フォームがあるので、返礼品に必要な調達との認識で、寄付者に送付をいただいたものと判断し支払いしておりました」
同じ個体識別番号の牛が二重に請求されていたことについて、市は、現在、事業者に問い合わせていて、架空請求が判明した場合は、返還請求を行う他、処分も検討するということです。