豊岡市城崎町の伝統工芸「麦わら細工」の職人で、去年亡くなった前野治郎さんの遺作を集めた企画展が、城崎文芸館で開かれています。
城崎温泉の「麦わら細工」は、色染めした大麦のわらを桐箱や色紙に切り貼りする伝統工芸で、300年の歴史を誇ります。
去年3月に96歳で亡くなった職人の前野治郎さんは、21歳のころから修業を積んで技術を極め、1989年には、旧城崎町から麦わら細工の工芸技術保持者に認定されました。
晩年まで制作を続けたほか、後進の育成にも力を入れ、伝統の振興に尽力しました。
この企画展は前野さんの遺作を紹介するもので、額絵や絵馬、ハンカチ箱、こけしなどおよそ80点を展示しています。
前野さんの遺作を集めた企画展は、一部作品を入れ替えながら、9月末まで開催されます。