2010年に神戸市北区で当時高校2年の男子生徒を殺害したとして、殺人の罪に問われている当時17歳の男の裁判で、検察側は「被告が当時17歳だったこと以外に酌むべき事情はない」として懲役20年を求刑しました。
事件当時17歳の無職の男(30)は2010年10月、神戸市北区の路上で当時高校2年の堤将太さん(当時16)をナイフで複数回刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。
これまでの裁判で男は殺意を否認し、弁護側は、事件当時、減刑対象とされる心神耗弱状態だったと主張しています。
きょうの公判では、殺害された将太さんの家族5人が被害者としての心情を述べ、将太さんの母が「できることなら『将太を返して』と叫びたい。
「将太が殺されたことはなかったことにはできない。一番重い処罰を希望します」と意見陳述しました。
また、検察側は「犯行は正常心理で行われた」とする精神鑑定の結果は信用できるとして、「被害者にはなんの落ち度もなく一方的かつ執拗な犯行は殺意も強固で悪質であり、被告が当時17歳だったこと以外に酌むべき事情はない」として、懲役20年を求刑し結審しました。判決は今月23日に言い渡されます。