2人の画家が描く魚の作品を集めた企画展が、兵庫県尼崎市で開かれています。
海の中を優雅に泳ぐ魚の王様「マダイ」。
「魚の画家」として名声を博した大野麥風の作品です。
そして、同じマダイでも背びれのとげの数まで正確に描かれているのは、長嶋祐成さんの作品です。
尼崎市総合文化センターでは、2人の画家の作品を並べた企画展「魚へのまなざし」が開かれています。
明治から昭和にかけて活躍した大野麥風は、水族館に足しげく通い観察した生き物の様子を躍動的に、そして うろこやひれの緻密な線まで豊かな色彩を用いて鮮やかに描いています。
一方、長嶋祐成さんは、自身が釣り上げた魚を観察するなどして、細やかな筆遣いで透き通るような水彩画を描きます。
(画家 長嶋祐成さん)
「カサゴは特に模様が複雑なので 自分が持っているいろんな描き方が、1匹の中にたくさん使われている」
「白い模様が点々とあるが、白の絵の具を乗せて白の表現をするのか、1回塗った色を 濡らした筆で削って白にするのか、同じ白い模様でも3通りぐらいある」
また会場では、大野麥風の版木や、細かく指示が書き込まれた刷りの見本も展示しています。
(画家 長嶋祐成さん)
「ぜひ 角度を変えて見ていただきたい。こういう角度で見ると、どういうふうに筆を乗せて、どういうふうに動かしたのか見えてくると思う」
企画展「魚へのまなざし」は、7月2日まで 尼崎市総合文化センターで開かれています。