姫路市立水族館は6月5日、全国の水族館で初めて、ナゴヤダルマガエルの「累代繁殖」に成功したと発表しました。ナゴヤダルマガエルは水田環境の変化によって、姿を消し、兵庫県レッドリストでは「Aランク」に指定されています。
姫路市立水族館によりますと、5月30日朝、屋外の水槽で、産卵中のナゴヤダルマガエルを確認しました。
この個体は、姫路市立水族館で2020年に生まれた「繁殖個体」です。 何世代にもわたって繁殖させる「累代繁殖」で、ナゴヤダルマガエルの繁殖成功は全国の水族館で初めてだということです。
姫路市立水族館では、1990年代から播磨地方におけるナゴヤダルマガエルの野外調査を行っていて、2020年に全国の水族館で初めてとなる繁殖に成功し、翌年の2021年にも繁殖に成功しました。
ナゴヤダルマガエルは本州の一部や四国の一部に分布する体長5センチから6センチほどのカエルで、水田環境の変化で姿を消し、兵庫県内では現在、播磨地方の2カ所のみ県内では数カ所で生息が確認されていて、兵庫県レッドリストでは「Aランク」、環境省レッドリストでも「絶滅危惧1B類」に指定されています。
姫路市立水族館は「今後も繁殖技術を向上させ、生態の解明に寄与するとともに、ナゴヤダルマガエルの保全につなげていきたい」としています。