戦争の悲惨さを若い人に伝えようと、神戸市内の大学で、ロシアによる侵攻に巻き込まれて亡くなったウクライナの大学生たちを紹介する展示が行われています。
まっすぐにカメラを見つめる女性。去年3月、家に砲弾が直撃し20歳で亡くなった大学生です。
神戸市西区にある神戸学院大学で始まった「発行されなかった卒業証書展」は、戦争によって多くの大学生の未来が絶たれたことを知ってもらおうと、ウクライナの若者が中心となって企画したもので、世界中で開かれています。
今回の展示に携わった、ウクライナ出身のマリヤ・ボンダレンコさん。去年5月、夫とともに神戸に避難し、日本語学校に通っています。
会場では、亡くなった学生のうち36人の生い立ちや、将来の夢などが写真とともに「卒業証書」として紹介されていて、戦争により命を奪われ卒業が叶わなかった若者たちの生きた証を伝えます。
展示は、6月末まで開かれ、観覧は神戸学院大学の学生や教職員など、関係者のみに限られます。
31日は、マリヤさんと、夫のマキシムさんによる講演も行われ、集まったおよそ230人の学生に向けてウクライナの現状を訴えていました。