重大な少年事件の記録が全国の家庭裁判所で廃棄されていた問題で最高裁は25日、調査結果を公表しました。
最高裁は25日、会見を開き記録廃棄の経緯などについて「一連の問題は最高裁による不適切な対応に起因する」と結論付ける調査報告書を公表しました。
少年事件の記録を巡っては、史料的価値の高い記録は事実上の永久保存とするよう最高裁の内規で義務付けられていますが、去年10月、神戸家庭裁判所で神戸連続児童殺傷事件の全ての事件記録が廃棄されていたことが明らかになり、その後、全国の家庭裁判所でも記録の廃棄が相次いで分かりました。
最高裁は去年11月に有識者委員会を設置し、記録の廃棄に至る経緯や原因などを調査していました。25日に公表された報告書では、永久保存の判断基準が定まっていなかったことや、保存のあり方の適正化を図るための指導を最高裁が行わなかったことを問題点として指摘。
永久保存の基準については全国一律となるよう見直すことや常設の第三者委員会を設置し国民の意見などを取り入れていくべきとしました。最高裁は関係する遺族に対し、報告書の内容について直接説明を行うということです。
最高裁は会見で「一連の問題のベースには裁判所職員が後世に記録を残すという意識が低かったという点がある」と謝罪しました。