18年前、兵庫県神戸市の市立小学校で児童が同級生からいじめを受けていた問題で、市の教育委員会の対応を調査していた第三者委員会は、きょう「市教委が調査内容を隠蔽していた」とする報告書を提出しました。
神戸市立小学校で2005年、当時5年生だった児童が、複数の同級生から暴行を受け、現金50万円以上を脅し取られるなどしました。
学校側は当時、被害児童の保護者に対し、いじめを認めていましたが、その後、一転。被害児童などからの聞き取りが十分にできなかったことなどを理由に、裁判でいじめの行為が認められているにもかかわらず、いじめの事実を否定していました。
5月11日、市の教育委員会の対応を調査していた第三者委員会が2年以上に及ぶ調査報告書を神戸市教育委員会に提出しました。
報告書では、いじめの事実を認定した上で、学校は実際には複数回にわたって、被害児童への聞き取りを行っていたにもかかわらず、市教委は「調査資料が存在していない」と主張し、事実を隠蔽したと指摘。訴訟を起こされることを想定した市教委が、学校の判断に積極的に介入したとしています。
市教委は報告書を受け「調査結果を真摯に受けとめる」とした上で、「報告書の評価と認識が異なるところがあり、今後精査していきたい」としています。