■“最強アマ”からプロ初頂点
日本最古のオープントーナメントのゴルフ大会「第88回関西オープン」(賞金総額8000万円)が4月13日から4日間、大阪・堺市の泉ヶ丘カントリークラブで行われ、プロ転向6戦目の蝉川泰果(せみかわ・たいが 22歳)が初優勝した。
2位と3打差の単独首位で最終日を迎えた蝉川は、1番から6番まで連続パー。
7番にバーディーを取り、8番はボギーだったが、9、10番を連続バーディーでスコアを伸ばした。
蝉川は16番のバーディーで後続を突き放し、最終ホールもバーディーを決めて有終の美を飾った。
スコアは通算17アンダー。安定したプレーで2位に4打差をつけ、堂々のプロ初勝利(ツアー3勝目)を遂げた。優勝賞金1700万円。
蝉川は兵庫県加東市出身。
東北福祉大4年時の昨年4月、関西オープンに出場し、単独3位で最終日を迎えたが、6オーバーと乱れ17位タイで終了。
悔し涙を流した。
しかし昨年9月にツアー初優勝。10月には「日本オープン」で95年ぶりのアマチュア優勝を成し遂げ、ツアー2勝の大記録と“最強アマ”の称号を引っ提げてプロに転向した。
名前の泰果は、タイガー・ウッズに由来するという。
■去年の自分より成長
優勝した蝉川はサンテレビ・村上昂輝アナウンサーのインタビューに喜びを語った。
Q.プロ転向後、初めての優勝ー
18番のティーショット、打ち終わった後、泣きそうだった。この位置にきて、また(首位で最終日を迎えたが崩れた昨年の)三井住友(VISA太平洋マスターズ)のように悔し泣きをするのかなという悪いイメージもあったが、
優勝できて嬉しいです(ギャラリーから盛んな拍手を受ける)
Q.去年に続いて最終組で回ったー
ことしはリベンジをしたい気持ちがすごくあった
Q.4日間、安定したプレーだったー
去年の関西オープンの自分より成長したと思う
Q.今後はどんなゴルフをー
複数回優勝をめざすことと、去年、この関西オープンを優勝された比嘉(一貴)選手も賞金王を取っているので、賞金王を目標に頑張っていきたい
<関西オープンゴルフ選手権>
1926年(大正15年)に第1回開催。プロとアマが競う日本最古のオープントーナメント大会。優勝者には、日本のプロ1号・福井覚治をはじめ、宮本留吉、杉原輝男、島田幸作ら関西の名プレイヤーが名を連ねる。一時、ツアー外競技となっていたが、2008年、石川遼がプロ初勝利し、翌年からツアーに復帰。関西各地のゴルフ場を対象に、毎年コースを替えて行う「サーキット方式」で行われている。来年は滋賀県の名神八日市カントリークラブで開催。
(浮田信明)