新長田の市街地再開発事業で最後の工区 教育複合ビルの起工式

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阪神淡路大震災の復興に伴う神戸市の新長田南地区の市街地再開発事業で最後の44工区目となる教育複合ビルの起工式と安全祈願祭が行われました。
来年9月の開業を予定しているのは、兵庫県が建設する教育複合ビル仮称「新長田キャンパスプラザ」です。
医療・介護職の人材を養成する専門学校県立総合衛生学院が校舎の老朽化に伴い移転。
兵庫県立大学や兵庫教育大学のサテライトキャンパスが入ります。

阪神淡路大震災で大規模な火災の被害があった新長田南地区。
神戸市は、西の副都心事業と位置づけて西日本最大規模の再開発事業を行い、現在、42棟(とう)のビルが立ち並んでいます。
しかし、神戸市が所有する商業床の6割が売れ残っていて、すべてが売れたと仮定しても300億円以上。
売れなければ赤字額は500億円に膨らむ見込みです。

再開発事業を検証してきた出口俊一(としかず)さんは、この土地で再起を図った商店主らが現在も苦しんでいると指摘します。
兵庫県震災復興研究センター出口俊一事務局長「商売している者としては厳しい。
より一層厳しくなっている感じがしますね。
ずっと以前に我々神戸市に対して大学などのサテライトを提案したことがある。
もっと早く持ってくるべきだったと私は思いました。不可能ではなかった」

再開発事業で最後となる44工区目となる教育複合ビル。
きょう、起工式が行われ、兵庫県の斎藤知事や神戸市の久元市長らが出席しました。
教育施設の誘致により1日あたり1000人ほどの交流人口の増加が見込まれていて、新長田の活性化に期待が高まります。
藤岡勇貴リポート「かつてこの場所は商店主らが立ち上がった復興元気村パラールがあった場所でした。
この場所に教育関連施設が完成します。

宮司さんがこんな神楽歌を考えました。
復興の礎芽吹きし大地に未来を育むヒトタチを得む」剣の舞の神楽歌(かぐらうた)を披露した駒林(こまがばやし)神社の中山直紀(なほき)宮司。
震災後に商店主らが仮設で立ち上げた復興市場パラールのおはらいを行ったのが父の松比古(まつひこ)さんでした。
駒林(こまがばやし)神社中山直紀(なほき)宮司「復興の礎となった芽吹いた場所にてこの未来を育む人たち。
それに刀の一太刀をもってはらって清めて発展していただきたいという思いを込めてけさ考えついたばかりの歌でございます」来年9月には阪神淡路大震災のすべての再開発事業が完了する見込みです。

兵庫県斎藤元彦知事「最後の区画に兵庫県の総合衛生学院の建て替え事業をさせていただく形となりました。
兵庫県と県立大学と神戸市としっかりと連携を行いながらこの地域ではいろいろなビジネスや挑戦をされるという方々をしっかりと応援していきたい」神戸市久元喜造市長「この新長田がさらににぎわいのある活気あるそして住みやすい快適なエリアになるように神戸市政は引き続き全力で取り組んでまいります」出口さんや大学教授が参加する市民検証研究会は新長田南地区再生に向けた第2次提言をまとめました。
あす、神戸市の都市局長と話し合いを行うほか、今月14日に記者会見を行う予定です。

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