西宮市では、去年の夏に高校生が運営する若者の委員会、「Youth委員会」が立ち上がりました。
一体どんな活動をしているのでしょうか。活動に密着しました。
西宮市内の高校生24人がつくる「Youth委員会」。若者の視点で見つめた西宮市政について高校生が直接市長に政策を提案します。
Youth委員会の活動が始まったのは去年8月。メンバーはこの日初めて、顔を合わせました。
【小林聖心女子学院高校 磯村奈槻さん】
「ずっと国際系に興味があって、海外のドラマとかネットフリックスを見るのにはまっています」
【小林聖心女子学院高校 角谷胡桃さん】
「児童に関わる問題だったり、SDGsに関わる問題に興味があります」
【甲南女子高校 長冨日向さん】
「高校生平和大使という活動をしているので核兵器廃絶だとか世界の平和に興味があります」
Youth委員会の発起人、磯村奈槻さん、角谷胡桃さん、長冨日向さん。3人が委員会を立ち上げたのは、それぞれが学校生活で感じた”違和感”がきっかけでした。
【磯村さん】
「授業とかでも『調べる』ということはすごく多いと思うんですけど、いまの教育的に。でもそこから現実を動かすために一歩踏み出すという機会がないなというのがはじめの考えで」
磯村さんは、幼稚園からの幼馴染で同じように社会への関心が強い長冨さんと意気投合。3人はメンバーを募り、自分たちの住む西宮市に学生目線で政策を提案することにしました。
【長富さん】
「政治や市政に関心があったとしても、なかなか周りの友達とそれに対して意見を交わすことができないなと思うので、この新たなコミュニティーの場で仲間と意見を交換することでより良くなっていくのかなと思う」
【角谷さん】
「まだ投票ができない私たち高校生が学んでいくことで、投票権を持ったときに、18歳以上になったときに投票に行こうという気持ちがゴールなのかなと思います」
政策提案を行うのは2月。石井市長も期待を寄せます。
【西宮市 石井登志郎市長】
「みなさんが、みなさんの感性で政治に対して提案をしていただけるというのは、私たちの気づかないようなことで面白いといいますか、興味深いといいますか。
本質的なそのようなことを聞かしてもらえたらうれしいなと思っています」
委員会では、自分の関心のある社会問題を出し合い、4つのグループに分かれました。各テーマに沿った施設や団体を訪問し、半年間かけて調査を行います。
10月、新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった「にしのみや市民祭り」。「西宮市に祭りを」という市民からの熱い思いで1973年から開催されていますが、近年ある課題が浮き彫りになりました。
「同級生っぽい人いた?」
「いないよね。小さい子が多い」
中高生や大学生など若い世代の参加が少なく、来場者数も減少傾向にあることです。
長冨さんたちは、今の市民祭りは親子連れ向けの催しが多い一方で、そもそも中高生をターゲットにしたものが少ないと実感。出店のジャンルや情報の発信方法を工夫できるのではないかと考えています。
市長に政策を提案する日まで残り1ヵ月。発表資料や原稿など、細かいところまでこだわります。
「市民祭りとか高校生の祭りってあまりない。だから自分たちで企画して自分たちの年代が楽しめるような祭りをつくりたい」
「実際、市民祭りに行って話を聞いて、もっとこうしたら自分たちも楽しめるんじゃないかというのを話したりする時間は楽しかった、ぜひ言ったことが反映されるといいな」