みなさんは「培地」という言葉をご存じでしょうか? 一般的には細菌はじめ微生物などを増やすために必要な液体や固形のことを指すのですが、 例えば農業で野菜を育てる「土」も「培地」のひとつと言えるんですね。今回は、この「培地」を土の代わりに、あるものを使ったプロジェクトが進んでいるということで取材してきました。
そのプロジェクトが進んでいるのが、淡路島にある「パルシェ香りの館」。 施設ではおよそ100種類のハーブが栽培されていますが、ある一角の「培地」には 意外なものが使われていました。
【スタイレム瀧定大阪 坂本和也さん】
「私たちは繊維の専門商社で、『ポリエステル繊維をリサイクルしたい』というところから始まりました。 従来廃棄されるポリエステルの廃材を、培地にリサイクルすることによって、グリーンも増やしていこうと」
なんとハーブが植わっているのは「衣類の廃材」なんだそうです。 「パルシェ香りの館」をハーブ栽培のベース基地として、「アグリラボ」と名付けたこのプロジェクトは3年前から始まっています。
【パルシェ香りの館 魚井太郎さん】
「ハーブはこういった感じで順調に育っております。 環境に優しいと言うことで非常にやりがいを感じております」
衣類の廃材を使ったこの培地の特徴は…
【魚井さん】
「まず非常に清潔であるということですね。 虫が湧きにくくて非常にクリーンです。 それから繰り返し使えるというのが特徴になります。 連作障害というのも起こらないんですね。 水はけが非常に良くて、根腐れも起こりにくいです。実際、育てているハーブも非常に柔らかくて食べやすいというのが特徴になります」
担当者はとにかく大絶賛。 実験で育てたハーブは、すでにパルシェの施設内の商品の一部に活用しています。
イタリアンパセリは「ハンバーガー」の具材として、また、栽培しているハーブから抽出したアロマオイルも今年の春、発売予定です。
そして、この培地、「TUTTI(トゥッティ)」という商品名で販売中。 製造から販売、そして、この培地で育てた食材の活用まで、プロジェクトに参加したメンバーは この培地の未来に大きな期待をしています。
【スタイレム瀧定大阪 阿多憲明さん】
「繊維から緑を作るという切り口の違う形で、全員一致で目標に向かって走っています。 『淡路島=国生み(神話)の島』ですね。ここを起点にしてして全国に広げていけたら」