大好きな消防車のケーキの前で喜ぶ少年、小林魁君。
この時の少年は今、21歳になり、神戸市内の大学で法学を学びながら、消防士の夢に向かって勉強を続けています。
小林さんの第一志望は自らが生まれ育った街、神戸市の消防です。
高校1年生の時には実際に働くイメージを膨らませようと須磨消防署を訪れました。
1995年の阪神淡路大震災で神戸市消防は、自らが被災者でありがならも懸命に人命救助に当たりました。
自分が生まれる前に起こった震災のことをもっと知りたい。
小林さんは去年、阪神淡路大震災を経験していない若者たちがつくった団体「1・17 希望の架け橋」の活動に初めて参加しました。
小林さんが生まれ育った神戸市西区の家は、28年前の傷を今も残しています。
小林さんが始めた活動を、家族もあたたかく応援しています。
去年12月、震災の犠牲者を追悼する「神戸ルミナリエ」の代替イベントが開催されました。
「希望の架け橋」のメンバーは震災犠牲者を追悼するための紙灯籠を制作。
1月17日の追悼行事に向けてメッセージを書き入れてもらおうと小林さんも会場を訪れた人たちに声を掛けました。
震災を経験していなくてもさまざまな人と関わることが自分自身の新たな経験になる。
学んだことがいつか誰かを救う力につながると信じて、小林さんは夢に向かって歩んでいきます。