■12月はわずか1勝
男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)西宮ストークスが波に乗りきれない。
今季成績はここまで9勝14敗で、B2東地区7チーム中6位。首位・アルティーリ千葉(A千葉)とは9ゲーム引き離されている。
今季が開幕した10月は、東京五輪に出場したジガ・ディメッツ(スロベニア 210cm)ら外国籍選手の活躍もあって、5勝4敗とまずますのスタートだったが、11~12月にかけて3連敗と4連敗を喫し、一気に借金生活に入った。
前週、A千葉とアウェイで連戦したが、1戦目は終盤押し切られて74-75で惜敗。2戦目は序盤20-7とリードしたが逆転され、72-96で大敗した。
12月の戦績は1勝5敗で、1クォーター(10分)の得点がわずか「4」の試合もあった。
■ビッグマンが威力
西宮ストークスは、ディメッツとともに新加入したトレイ・ポーター(アメリカ 210㎝)が今季ここまで57個のブロック(相手のシュートを防ぐ)を記録している。
チーム全体の通算ブロック数も「86」でリーグ1位。ディメッツ、ポーターに中西良太(兵庫県出身 202㎝)を加えた“ビッグマン”3人がゴール下で威力を発揮している。
一方で、ターンオーバー(パスミスなどで相手に攻撃権が移ること)数がリーグワーストの「374」にのぼるほか、3ポイントシュート成功数もリーグ最下位の127個(1試合平均5.5個)に止まり、波に乗れない一因となっている。
■日本人選手に「自発性」を
今季から指揮を執っている森山知広ヘッドコーチ(HC)に話を聞いた。
現在の順位については、「気にしていない」と一言。「3位から6位までわずか1ゲーム差。途中経過よりもシーズン終了時の順位が大事」と今後の巻き返しに意気込む。
森山HCは、チームはいま新しいことにチャレンジ中だと明かした。
「攻撃面では、これまで外国籍選手が中心となって点を取っていたが、日本人選手にも“自分が取る”という自発性や主体性を持たせ、マインドを変えている。コートの5人全員で攻撃し、1試合で2ケタ得点を取る日本人選手が数名出てくるようにしたい。守備面でも、1人が動くのではなく、チーム全員が緻密に連動して強固なディフェンスをしたい」と語った。
前週のA千葉戦ではルーキー川島聖那(福岡県出身 法政大 187㎝)が18点を挙げるなど、楽しみな選手も出てきている。
■最後の“西宮”でB1めざす
西宮ストークスは今季を最後に西宮を離れ、来季2023-24シーズンから本拠地を神戸に移す。
当面はワールド記念ホール(ポートアイランド)を本拠地とし、2025年春からは神戸港に完成する「神戸アリーナ(仮称)」をホームアリーナとする計画だ。
ストークスが2017年以来のB1に復帰するには、上位8チーム(東西3位以上と、4位以下で勝率上位の2チーム)によるプレーオフでベスト2に入らなければならない。
年内は、12月24、25日(いずれも愛媛戦)、28日(香川戦)とホーム西宮市立中央体育館で3試合を行い、大晦日に長崎で1試合を行う。
すべて白星で飾り、2023西宮ラストイヤーへの弾みにしたい!
(浮田信明)