【駐在リポート】豊岡市 メダカがつなぐ人と自然

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【川越カメラマン】
「11月5日と6日の2日間、豊岡市で全国メダカシンポジウムが開催されました」

「全国めだかシンポジウム」は、日本めだかトラスト協会が全国各地で開催しています。協会は「メダカを通して命の大切さを学ぶ」「子孫に優しく温かい日本を残そう」をテーマに、全国40人の会員と4つの団体で活動を続けています。

新型コロナの影響で3年ぶりとなったシンポジウムでは、日本に生息するメダカと豊岡市の関係性などが発表されました。

日本のメダカは、近年の研究でキタノメダカとミナミメダカの2種類に分類されることが分かってきました。

豊岡市付近が発祥とされるキタノメダカは、兵庫県の北部と若狭湾付近よりも北の地域に生息していて、それより南の地域はミナミメダカが生息しています。

北と南の境界線にあたる豊岡市は、キタノメダカとミナミメダカが共に生息している上、両方の遺伝子を持つメダカも発見されていて、メダカの研究上、注目されています。

【日本めだかトラスト協会 尾田正二会長】
「豊岡だけ(キタノメダカが)残っているんです。恐らく、それは豊岡盆地、それから平野。特殊な地形がキーになっているんじゃないか。
関東平野と比べたら環境が違いますんで、それが古い初期のメダカ(キタノメダカ)が残っている原因ではないか。」

今回のシンポジウムを陰で支えた人がいます。豊岡市内でめだか公園を運営する岡本邦夫さんです。

岡本さんは、食物連鎖の底辺を支えるメダカを保護することで、自然の大切さを知ってもらおうと、23年前に 「六方めだか公園」を作りました。

【岡本さん】
「ここは誰がいつメダカを捕まえに来てもOK。テレビでもOKです。
さっきはひとかきで50匹くらいおりましたね。(メダカを捕まえる)失敗がないというのが、子どもたちはとても喜びます」

岡本さんは、地元の小学校の校外学習を受け入れたり、誰もが気軽に訪れて生き物に触れ合えるように、公園を一般開放しています。

その活動が認められ、ことし、環境省から「みどりの日 自然環境功労者環境大臣表彰」のほか、兵庫県から「兵庫県環境功労者表彰」を受けました。

公園内は自然があふれ、餌を求めてコウノトリもやってきます。

【岡本さん】
「(近所の人は)コウノトリが歩いているけど、メダカが食べられるんじゃないか。コウノトリはメダカが小さすぎてか食べないんです。
その代わりに、フナ・ザリガニ・タナゴとかいうメダカよりも大きなもの、メダカの稚魚にとっては恐ろしい生き物をコウノトリ・サギ・カラスが退治してくれます。
六方めだか公園は、コウノトリに守られてメダカが育つという、日本ではとても珍しいビオトープだと思います」

【岡本さん】
「おはようございます。こんなようけ来はるとは思わんかった」

この六方めだか公園で体験見学会が開かれ、多くの参加者が訪れました。

【岡本さん】
「『めだか公園』と言います。1999年に始めました」

岡本さんは、公園の概要や生息するメダカの様子に加えて、メダカを守ることで豊岡市の自然の維持に繋がることを、自身の経験などを踏まえて伝えました。

【岡本さん】
「メダカは必ず中におります。すくうだけで佃煮にできるぐらいおります」

終始和やかな雰囲気で、ことしの全国めだかシンポジウムは終了しました。

【参加者は-】
「(岡本)邦夫さんは小さい頃から知ってて、メダカ飼ってるおじちゃんみたいな軽い感じだったんですけど、いざ大人になってみるとすごい方なんだなって」

【尾田会長】
「(岡本さんは)ほったらかしにされているように言いますし見えますけど、細かく(メダカを)見守ってらっしゃるなと。必要に応じて介入するんだと思います」

【岡本さん】
「メダカを通してたくさんの人たちに交流していただくというのは、値打ちがあるんじゃないかなと思います。
メダカの環境もですけども、人の心も残していきたいなと思います。毎日楽しいです、はい」

メダカだけではなく、メダカを含めた生態系を守ることで、自然の維持や人の新しい交流につながる。メダカを守る人たちが教えてくれました。

【川越カメラマン】
「小さな魚の代名詞でもありながら環境の面でも貴重な存在であるメダカ。これからも守っていってほしいと思います」

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