港のスペシャリストを育てる 「港湾短大神戸校」に潜入!

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神戸・ポートアイランドにある「港湾職業能力開発短期大学校神戸校」。通称、「港湾短大神戸校」です。

【藤浦記者】
「こちらの教室では、ランプが点灯する電気回路を作る講義が行われています」

港のスペシャリストを育成する、公共職業訓練施設「港湾短大」。全国で神戸と横浜の2校しかありません。果たしてどんな学校なのでしょうか…。

22日、授業の内容を知ってもらうとともに港湾業界の魅力をPRしようと、報道関係者を招いた施設の見学会が開かれました。

【港湾短大神戸校 吉野恵樹校長】
「なかなか港湾業界・物流業界は人が入りにくい、集まりにくいというのを感じてきている。なんでなんだろう、色々考えて分かったのは『知られていない』」

港湾短大神戸校には、貿易に関する知識を学ぶ「港湾流通科」と、港で貨物を積み込む機械の操作を習得する「港湾技術科」、それに、既卒者向けの「港湾ロジスティクス科」の3つの学科があります。

輸出入の手続きや機械の操作技術などを学び、2年間で港のスペシャリストを育成します。

【吉野校長】
うちの場合、1クラス20人という少人数。20人の学生に対して先生が5人いる。普段からいろんなお話を先生とできる。そうすると自分の進路について『この会社に行きたいんだけどどうかな』と先生に気楽に相談できる」

真剣に画面を見つめ、ハンドルを操縦する生徒がいます。愛知県出身で港湾技術科の中道誠也さんです。ガントリークレーンのシミュレーターでコンテナを積み込む練習をしています。

【中道さん】
「高校に自転車で通ってたんですけど、その途中のコンテナが来る倉庫が毎日見てるうちに好きになった。
よく撮影もしてるので、そのおかげで海上コンテナに携わる仕事をしたいということで(通っている)」

ガントリークレーンとは、神戸港に設置されている、大きくて首の長い大型クレーンのことで、「海キリン」とも呼ばれています。

船に積まれている輸入品などが入ったコンテナをUFOキャッチャーのようにつかんで降ろし、陸で待機する荷台へ積み込みます。

この日、見学会では記者もシミュレーターを体験しました。

【藤浦記者】
「いざ降ろしてみると距離感が難しくて、トラックからずれているということがあって。なかなか難しい作業でした。」

【中原さん】
「この学校の魅力は、何といっても港湾運送に関する知識や技能を学べること。今取れる資格とかはすべて取れるように頑張って、いずれは神戸の港湾系の会社に就職したいと思っている」

即戦力を求める港湾業界から注目を集め、就職率は9年連続100%を達成した港湾短大。一方で、近年定員割れも課題になっていると言います。

【吉野校長】
「『うちの名前知っていますか』って言ったら『知らない、こんなところにこんなのあったんですね』と言われる。
もっと学校をPRして、ミスマッチなく、こういった仕事に就きたいという夢を持って学んでもらいたい」

食べ物や衣服など、生活必需品のほとんどが輸入品である日本にとって、港湾での仕事はなくてはならない存在です。学校では、港湾・物流業界の重要性を今後も伝えていきたいと訴えます。

【吉野校長】
「日本の貿易の99.6%は港湾関係でまかなわれている。もっといろんな人に知ってもらい、人を供給し、育てていきたい」

多くの人の生活を支えるため、生徒たちは日々知識の取得に励んでいます。見学会では、最後に生徒たちとの意見交換の場も設けられました。

【港湾流通科 中根朝花さん】
「人の生活を支える役割があるので、そこが魅力に感じた。自分が通関をしてその商品が店頭に並んだとき、自分が通関をしたと想像するととてもやりがいがあると思った」

港湾短大神戸校は、今後も学校の授業内容や港湾の仕事の魅力をPRしていきたいとしています。

 

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