川崎重工業の男性社員が赴任先の中国で自殺したのは過労が原因だったなどとして、遺族が会社に対し、およそ1億円の損害賠償を求めた裁判の初弁論が12日、神戸地裁で開かれ、会社側は争う姿勢を示しました。
訴えを起こしているのは、川崎重工業に勤め、赴任先の中国で亡くなった男性社員(当時35)の妻と2人の娘です。
訴えによりますと、男性は2013年、中国の関連会社に出向しましたが、業務量が増えたことでうつ病を発症し、赴任から3カ月後に現地のマンションから飛び降り、死亡しました。
その後、男性は労災認定され、遺族は、会社が安全配慮義務を怠った結果、自殺したとして、会社に対しおよそ1億円の損害賠償を求めています。
12日、神戸地裁で開かれた初弁論で、男性の妻は、「夫の無念を晴らし、尊厳が守られることを願っています」「川重の態度は夫の命を軽んじるものであり、強い憤りを感じます」などと意見陳述しました。
一方、川崎重工業側は、男性が転落したのは直前に酒や薬を大量に飲んでいたことなどが原因として、争う姿勢を示しました。