(川越カメラマン)
但馬の新温泉町では、「浜坂地えび」を使った料理の発表会が行われました。
兵庫県新温泉町の商工会が2017年から取り組んでいるのが、「浜坂地えび」を使った名物料理作りです。
「浜坂地えび」とは、浜坂港で水揚げされるアマエビなど数種類のエビのことですが、アマエビ以外は鮮度が落ちやすかったり、漁獲量が少ないことなどから、ほとんどが地元で消費されています。
新温泉町商工会では、地元でしか食べられないエビという点を逆手にとって、旅館や飲食店に「浜坂地えび」を使ったメニュー作りを依頼。2018年の春から料理の提供を始めました。
(新温泉町商工会 谷田一富会長)
カニの時期がすんでからのギャップが非常に大きすぎる。4~6月とこの時に何かないだろうか。
ということで、ここはエビというものがあるじゃないか。エビの食べ比べというような事業をやってみたらどうだろう。
エビの値段が非常に高くなってきたので、地域貢献にもつながってきてるんではないかと思っています。
「浜坂地えび」と呼ばれるのは全部で5種類。
最も有名で漁獲量が多いアマエビは、サイズが大きく、深い甘みとコクが特徴です。
モサエビはねっとりした強い甘みを持ちますが、傷みが早く市場にほとんど出回りません。
角のようなトゲがあるオニエビは、身がぷりぷりしていて濃厚な甘みと旨みがあります。
ガラエビは頭に味噌がぎっしり入っていて、いい出汁がとれます。こちらも傷みの早いエビです。
スジエビはプリっとした食感で甘みが強いですが、漁獲量は最も少なく希少性が高いです。
昨年度は、提供できる「浜坂地えび」のメニューをまとめたパンフレットも作成。それぞれの団体が工夫を凝らした料理の種類は30を超えました。
(新温泉町商工会 谷田一富会長)
去年あたりから予約なしで食べて帰られるのはどうかと展開を進めているが、エビも高級品なので、我々が当初思うようなレベルにはなかなか達しないかもしれないが、旅館のほうでは着実にそれを目当てのお客さんが来てることも事実だと思います。
そして迎えた今年度の「浜坂地えびグルメ」お披露目会。会場は湯村温泉の旅館で、11の団体が開発した料理を持ち寄り、報道陣や関係者にプレゼンしていきました。
それでは料理をいくつか紹介していきましょう!
道の駅山陰海岸ジオパーク浜坂の郷の「地エビィ~トランチ」。アマエビとモサエビを天ぷら、刺身、サラダ、味噌汁とすべてに使用したぜいたくなランチです。
浜坂の郷からもう一品は「浜坂えびまる」。アマエビの出汁で作った生地を、たこ焼きのように焼きあげました。
こちらは、湧泉の宿ゆあむの「浜坂地えび食べ比べ」です。アマエビ、モサエビ、オニエビと3種類の地えびを楽しむことができます。
続いては、ビストロ25の「クリーミー&スパイシー浜坂地えびカレー」。アマエビやモサエビの出汁を入れた2種類のルーを味わえます。
このカレーを試食しました。
(川越カメラマン)
もちろんカレーの辛さはあるが、辛さとエビのうまみが強い。
こっちの方は辛みは同じくらいかもしれないが、マイルド、優しい、まるい。カレーの食べ比べができるというのが楽しいですね。
お披露目会では関係者も試食して、「浜坂地えび」を堪能していました。
(試食した人たち)
エビの玉子焼きです。おいしいです。味がしっかりと出てますし、おいしいですよ。
めちゃめちゃうまいです。どれもエビを活かしてしっかりとおいしいものを作っておられて、それぞれが素晴らしい。
ほかにも、モサエビの炊き込みご飯や、浜坂地えびオムライスなど、個性豊かなメニューの数々。この「浜坂地えびグルメ」は、2018年の販売開始から4年間で、1万8478食、およそ9718万円を売り上げました。
(新温泉町商工会 谷田一富会長)
我々はもっとPRする部分として、(コロナ禍で)3年間できなかったので、これを継続してやっていきたい。
こういう(地えびの)食べ比べをやっているのは我々の町だけですので、ぜひ皆さんに来ていただきたい。
新温泉町に来ないと食べることができない「浜坂地えび」。新たなメニューの登場で、更なる集客に期待が高まります。
(料理人たち)
「浜坂地えび」を食べに来てねー!