兵庫県の西端の佐用町は岡山県の津山市と隣接しています。今、この2つの地域がそれぞれの特産品を巡って激しい戦いを繰り広げています。一体戦いの原因は何なのでしょうか?互いに譲らない対決を上杉カメラマンが取材しました。
岡山県津山市。9月3日、津山城がそびえるこの地で、兵庫県佐用町と岡山県津山市の長きに渡る因縁に決着を付けようと、ある対決が行われました。
(津山ホルモンうどん研究会 上山康裕さん)
なんやかんやと難癖をつけてくるので、今度は地元でこてんぱんにやっつけようとこの場を作りました。ぜひ、正々堂々と戦いたいと思います。
津山ホルモンうどん研究会の上山康裕さんから「果たし状」を受け取ったのは、佐用町観光協会会長の北村広樹さんです。これから何の対決が行われるのかというと、「ホルモン焼きうどん対決」です。
兵庫県西部に位置する佐用町と岡山県の津山市は姫新線で結ばれていて、人の往来も盛んな地域です。
佐用町の名物は言わずと知れた「ホルモン焼きうどん」。町内には数多くのホルモン焼きうどんの店舗が軒を並べます。
そして、津山市の名物も「ホルモンうどん」。名前は違えど鉄板でホルモンとうどんを焼くという非常によく似たグルメで、「自分のところがうまい!」と互いに一歩も譲らずついに対決にまで発展。しかもこんな因縁まで…。
(上山さん)
前回は佐用さんがトラブルがあったりして気持ちよく勝ててないんで、勝ったとはいえ。
そう、この対決、今回が2回目です。7月に佐用町で行われた対戦では佐用町側にミスがありました。
(北村さん)
前回、キャベツ忘れちゃったんでね。それが敗因だったんで。(今回は)キャベツを一番に積み込んどく。
痛恨のキャベツ忘れ!それだけに今回の戦いには地元から大きな期待が寄せられています。
(佐用町の人たち)
今回は準備を整えて、人手も整えて。一斉にスタートしてもらえれば大丈夫。
自分の好きな味のところに来てくださるんで、どっちでもいいと私らは思うけど、若い人はやる以上は解決したいんじゃないかと思う。
そして切られた決戦の火蓋!戦いのルールは単純。先に500食を売ったほうが勝利です。
(北村さん)
佐用の場合は出汁で焼いてつけダレが別にある。それにつけて食べるスタイルです。
(上山さん)
違いはね、やっぱり焼きこむこと。タレを焼き込んでそのままお客さんに提供する。香ばしさはうちの方がある。
勝負は開始早々に佐用町のテントにも津山市のテントにも行列ができるほど盛況を博します。2つの味を食べ比べたいのか、2人以上の来場者はそれぞれを購入して分け合って食べ比べる姿が目立ちます。
評価は真っ二つ。膠着状態のまま初日は勝敗決まらず日没を迎え終了。なんと勝負は翌日へ持ち越されることに。
そして迎えた2日目。この日も開始早々長い列を成し互いに一歩も譲らない接戦が続きます。そしてついに…。
津山市の11時29分に対して、佐用町のタイムは11時27分。わずか2分の差でしたがなんとか雪辱を果たしました。
(上山さん)
参りました。泣きのもう一回をお願いします(笑)。
(北村さん)
基本は町おこしなんで。姫新線というものがありますので、それを利用して食べ比べなどして行き来するような、そんな間柄になれたらいいなと思う。
佐用町のホルモン焼きうどんと津山市のホルモンうどん。対戦中2人はこんなことを話していました。
(北村さん)
全然違う味わいなんで。こういった味もあるんだと、ぜひ紹介したい。
(上山さん)
ビール飲みながら食べるのは佐用の方が合うかな。
本当は互いに認め合っていました。
11月3日に佐用町で開催される大収穫祭で3回目の対決が決まっています。