アスベストによる病気で亡くなった男性の労災認定に関する資料を、労働基準監督署に廃棄されたのは不当だとして、遺族が15日、国に対し損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こしました。
訴えによりますと、三木市の男性は建設現場での作業中にアスベストを吸い、中皮腫を発症し、2003年に54歳で亡くなり、その後、労災の認定を受けました。
男性の遺族はことし3月、建材メーカーに損害賠償を求める訴えを起こしていて、その中で加古川労基署が男性の労災に関する資料を廃棄していたことが分かったということです。
このため遺族側は、「資料を誤って廃棄したことにより、どの建材からアスベストを吸い込んだのかについて特定が難しくなった」などとして、国に対しおよそ300万円の損害賠償を求めています。
遺族は、「アスベスト被害者・遺族に対し、追い打ちのように国が廃棄してはいけない記録まで廃棄するなんて、許すことができません」とコメントしています。
アスベスト弁護団では被害者救済のため相談をご覧の電話番号で受け付けています。
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