2022年09月05日(月曜日) 11:43 地域・まち文化・スポーツ

早起きは三文の徳ツアー ~駐在リポート但馬

兵庫県香美町では、移住者を増やすために、漁師町の魅力をPRする移住希望者向けの体験ツアーを始めました。

その名も「早起きは三文の徳ツアー」。

但馬総局の川越カメラマンが密着取材しました。

(川越カメラマン)                                                        「マツバガニに但馬牛、ここ但馬の香美町には美味しいものがいっぱいあります。きょうはこの香美町に移住を希望する人に向けた体験ツアーをご紹介します」

午前7時30分の香住漁港。

香美町が但馬漁協と協力して今年度から始めた、『早起きは三文の徳ツアー』は、その名の通り、朝早くから始まります。

ツアーに参加したのは、鳥取大学地域学部で学ぶ、ベトナムからの留学生を含む学生6人。

香美町の移住相談員、伊藤達巧さんと、但馬漁協職員の西賀真紀さんが案内役です。

普通の観光では味わえない体験をしてもらおうと、魚のセリの見学からスタートします。

この日は魚の水揚げが少なかったので、にぎわっているセリ場の様子も少しご覧いただきましょう。

これはベニズワイガニが解禁された日の香住漁港。

シーズンが来たら、こんな風景になるんです。

6人の学生たちは、独特の言葉が飛び交うセリの様子を、興味津々で見守っていました。

このツアーを企画したのは、伊藤達巧さんです。

(伊藤達巧さん)                                                         「香美町っていう場所を知ってもらうきっかけとして、香住の中心の産業である漁業を実際に見てもらい、町に興味を持ってほしいなと、そこから移住を考えてほしいなと思って。」

セリが終わってから、仲買人の男性の一人が、大学生たちにトビウオのことを詳しく説明していました。

(仲買人)                                                            「飛行機の方向舵みたいな」

(大学生)                                                            「へー!」

(仲買人)                                                            「(翼のようなひれが)4枚ある」

(大学生)                                                            「すごい。全部飛べるようになってる」

 Q鳥取大学の学生に非常にていねいに説明されていましたが?

(仲買人)                                                            「後輩だもん。後輩だ。わしすべったけどな。ハハハハ」

 Q移住を考えてくださる人がいるのは?

 (仲買人)                                                            「うれしいですよ。来てほしい」

ツアーの次の目的地は、セリ場と同じ敷地内にある但馬漁協の直営店「遊漁館」です。

ここでは、セリ落とした魚をすぐに店頭に並べることができるので、鮮度は抜群。

魚やカニを利用した加工食品も販売しています。

学生たちは、ツアーの一環で作る自分たちの朝ごはん用の食材を探しました。

漁協自慢の商品の説明は、西賀真紀さんが担当。

中でも一押しは、ノドグロとハタハタの旨味を生かした万能醤油です。

 (大学生)                                                              「ラベルもおしゃれ」

 (西賀)                                                             「ありがとうございます。渾身の。海と山とコウノトリをイメージして。ノドグロと」

ようやく朝ごはんのメニューが決まったようです。

(西賀真紀さん)                                                         「海の魅力だったり、ここで暮らす人たちの様子を見ていただけたらと思いまして。朝からセリがあったりとか、美味しい朝ごはんを食べて、豊かさとは何かっていうところを注目していただけたら」

ツアーの最後の場所は、町の移住相談窓口が入るレンタルスペースグラス。

ここでは、購入した魚を使って、みんなで朝ごはんを作ります。

魚のさばき方は、料理の得意な伊藤さんが指導しました。

 「トビウオここにもヒレがあるから、これはブチッとちぎって、こっちもブチッとちぎって」

学生たちはトビウオやシロイカをさばいたり、加工品の缶詰を使ってホタルイカご飯を作っていきました。

(伊藤達巧さん)                                                         「加工屋さんとかセリに来られてた仲買さんとかも、朝早く起きてセリに行って魚を買って、実際に朝ごはんが9時とか10時になったりするので、リアルな昔からある香住の人の生き方を今回のツアーでは経験していただいて、町の雰囲気とか産業の雰囲気を味わってほしいなという思いで」

刺身にタイのあら汁、ホタルイカご飯と、香美町の魅力が詰まった朝ごはんが完成しました。

 全員「いただきます!」

学生たちと伊藤さんが一緒に、午前10時を過ぎてからの朝ごはんです。

漁業関係者の暮らしの一部を体験できるツアー。

参加した学生たちは多くの刺激を受けたようです。

(大学生)                                                            「普通の観光では行けないとことかに連れていってもらえるので、すごくありがたいなと思うし、鳥取だと鳥取砂丘が奇麗だからと言って住みたくならないが、こういう体験とかがあると、お魚が美味しくていいなとか思えて、この町の魅力を住む人目線で感じられるのかなと思いました」

(ベトナムからの留学生)                                                        「刺身を作っている時はぶるぶる震えて、自分ではできるかどうかわからなくてめっちゃ緊張しました。できれば私は香美町に移住してみて、わからないことを探して、日本の農山村について、もっともっと研究したいと思います」

伊藤さんは、このツアーを息長く続けていきたいと考えています。

(伊藤達巧さん)                                                         「移住って1年2年でパパッと決まることじゃないので、何回も回数を重ねて来ていただいて、自分にぴったりだと思うところに住んでもらいたいので、何度も足を運んでいただけたらうれしいです」

スタジオこのツアーは、平日の月曜、水曜、木曜、金曜のみの開催で、定員は基本1人から4人まで。

ガイド料は無料で、食費は食材により変わりますが、2000円程度だそうです。

宿泊費や交通費は参加者の負担になります。

ツアーは昼前には終わり、その後の町内のガイドも受け付けているということです。

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