2022年05月27日(金曜日) 18:43 地域・まち報道特集・ドキュメント

【特集】火災で焼失して4年 三木駅再建までの道のりを撮影し続けた少年

  • 三木駅再建を記録撮影する秋武さん

  • 工事途中の三木駅(撮影:秋武琉真さん)

  • 撮影:秋武琉真さん

  • 記録撮影を応援する友人

  • 神戸電鉄の車両を撮影する秋武さん

特集です。 4年前に火災で焼失した神戸電鉄粟生線三木駅は新駅舎を建設し、5月に駅前のロータリーの整備を終えました。工事過程を一日も欠かさず撮影し続けた少年がいます。その一途な思いを聞きました。

学校帰り、毎日必ず寄るところがあります。 整備が進む神戸電鉄粟生線三木駅。

県立吉川高校3年生の秋武琉真さんにとって欠かせない時間です。

【秋武琉真さん】 「毎日バスに乗って帰ってきたらまずここに立ち寄って写真を撮るというのがルーティーン化しています」

この日は、三木駅の撮影を始めて274日目。私たちが秋武さんに出会ったのは2021年3月のことでした。

2021年3月、神戸電鉄粟生線三木駅の新駅舎が完成しました。

火災で焼失してから4年、寄付などで集まったおよそ1億5000万円をかけて再建された駅舎は待合スペースなどが設けられるなど地域の玄関口としての賑わいが期待されています。

完成した新駅舎を一心不乱にカメラに収めていたのが秋武さんでした。

地元に愛された駅舎 4年前の火災で焼失し更地に

1938年に開業した三木駅。 レトロな木造建築の駅舎で地元の人たちに愛されてきました。

そんな三木駅が火災で焼失したのは4年前、秋武さんは当時まだ中学生でした。

【秋武琉真さん】 「三木中学校の裏のところから見ていたらめちゃくちゃ炎が上がっていたのでこれはやばいんじゃないかと思った。

自分の最寄り駅というのもあってどうしてもショックというか、木造だったので残ってほしかったという思いはあります」

焼失から3年が経った2021年8月、ようやく再建に向けた工事が始まり秋武さんは記録撮影をスタートさせます。

撮影した写真をインスタグラムにアップするようになりました。

雨の日も風の日も通い続け 撮り続けた三木駅の再建

撮影を続けてきた中でも気に入っているのは新駅舎の供用開始前日の終電後に行われた工事の様子を写した写真です。

【秋武琉真さん】 「改札を動かすという工事をまず見ないのでこの1回しかないと思って見に行きました。完成まで作業員の人たちが1人1人頑張っている姿というのを最後まで見届けられたのが一番の思い出」

撮影を始めて270日余り、雨の日も風の日も1日も欠かすことはありませんでした。

鉄道仲間の沼田昊来さんは秋武さんの記録撮影を応援している1人です。

【秋武さんの鉄道仲間・沼田昊来さん】  「毎日インスタグラムに投稿していて何を上げているのかと思ったら三木駅の再建を上げている。すごく努力家というか、三木を愛していると思う。その愛を感じた」

来る日も来る日も三木駅に通い続けたこの1年。

かけがえない276日間の記録 いつしか大切な存在に

5月21日、駅前のロータリーが完成し、記念の式典が開かれました。

最後の撮影となったこの日、特別な再会を果たすことができました。

駅舎の建設工事に携わっていた高瀬小太郎さんです。

【建設に携わった高瀬さん】 「あなたがいつもカメラを持って現場に来てくれているから業者さんの間ではあだ名が“監督”だった。そのくらいの頻度で毎日来てくれていたから僕らも仕事の励みになるしありがたかったです」

火災で焼失し、かつては更地だった一角。

そこから駅舎が建設され、ロータリーの整備を終えて完成するまで276日間。

秋武さんにとってはそのどれもがかけがえのない時間でした。

【秋武琉真さん】 「僕にとって三木駅は最寄り駅ということもあるので大事な存在。自分にとってはすごい”友達”みたいな感覚の駅だなと思っています。毎日撮り続けてきて諦めないというのが自分の中では一番身についた。将来は鉄道運転士になりたいと思っています」

 

-2022年5月27日放送「NEWS×情報キャッチ+」より

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