2022年05月11日(水曜日) 11:32 地域・まち

【特集】「言葉が持つ力を信じて」 ロシア語を学ぶ学生の思い

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は長期化しています。

こうした中、これからの世界の架け橋になろうと、ロシアについて学ぶ学生たちにその思いを聞きました。

熱心に耳を傾ける学生たち。彼らが学んでいるのはロシア語です。

神戸市西区の神戸市外国語大学。

自然に囲まれたキャンパスでは、およそ2000人の学生たちが、大学生活を謳歌しています。

このうち、およそ200人がロシア語を専攻していますが、大学によりますと、2月のウクライナ侵攻後、「戦争をしている国の言葉を学んでいるのか」など、心無い言葉をかけられた学生もいるということです。

「言葉に罪はない。」学生たちは、そう分かっていても、今後の情勢が、自身の将来に与える影響を不安に思うこともあります。

ロシア学科の4年生の学生「現在こういった情勢ですので実際に日本人が今ロシアに行くことって難しいと思いますし、今の情勢では行けないかなと感じています」

ロシア学科の1年生の学生「ロシア語を好きで勉強している今はいいですけど、将来的にどうなるのかというのはすごく未知数なのでまだまだ不安なところではあります」

ロシア学科で教鞭をとる金子百合子教授です。

自身も、長年学び、親しんできた国による侵略行為に、胸を痛めています。

金子百合子教授「ロシアによるウクライナ侵攻もロシアの1つの側面で、その部分が自分の身が引き裂かれるような辛い思いだった」

金子教授をはじめとする教員は、学生たち、そして卒業生に向け、ことし3月、ホームページでメッセージを発信しました。

「今回のような紛争や悲劇が起こったとしても、ロシア語を学習することを無益な事、恥ずべきことと思わないでください。」

「私たちは、人々を結ぶ言葉の力を信じ、多様な背景と考え方を持つ

人々との対話を継続し、「国家」を超えた人類普遍の価値観を共に作り上げていく努力を諦めてはなりません。」

金子教授「紛争が一度起こってしまうとどうしても関係する国の一切合切を憎んでしまう、嫌悪するのは残念ながら真実で常に起こることです。ただそれに対しても様々な情報や嫌悪というのが社会や身の回りにあふれていたとしてもしっかりと自分を持って自分の関心・学びたい意欲には誇りを持ってほしい 彼らが未来に日露の関係の再構築をしていってくれると思っています」

学生たちは、迷いながらも前を向いて、学びを続けます。

ロシア学科の学生「言語と政治って別だなというのは思っていて、ウクライナ人もロシア語を話しているわけだから、ロシア語を話すことが必ずしも政治とのつながりを意味するわけでもないのでそこは皆理解してくれたら」

「そもそもロシアの言葉や文化はウクライナの方もすごく共有されている。ロシアのすべてを悪として考えるのはウクライナの方のためにもならないと考えているし、何か時bンができることを常に模索していくことはこれからも続けていきたい」

いつか自分たちが、世界とロシアの架け橋となるために。

LINE

あわせて読みたい

広告

広告

広告

PAGE TOP