関西を中心に行き場のない犬や猫などを保護している「アーク」という団体があります。丹波篠山市でも8年前から活動していますがいまだ地域に認知されていないことが悩みの種だといいます。丹波地域に駐在するカメラマンがこの団体を密着取材しました。

2014年に開設された動物保護施設、篠山アークです。施設では飼育放棄や迷子、捨てられた犬を保護し、里親を探す活動をしています。
この施設で働く西瀧さくらさんは、大阪のアークで動物保護活動を続けてきた西瀧さんは2年前この施設に派遣されました。

【西瀧さくらさん】
「働きだすまで篠山に遊びに来ることもなかったのですが、四季折々の景色が本当にここはきれいで動物たちものびのびと暮らしているのですごくいい土地だと思っています」

基本、1匹にひと部屋用意されている部屋は清潔で広く冷暖房も完備されていますがここに入るまで犬たちは過酷な生活を送ってきたのだといいます。

多頭崩壊に飼い主の病気　様々な事情を抱える犬を保護

【飼育員はー】
「多頭飼育崩壊といって180頭ぐらいかな、一般家庭の方が飼われていて増えちゃってとても飼育できないような状況になっていて。別の犬は飼い主が認知症になり、飼育が出来なくなった」

さまざまな理由で現在、施設に保護されているのは30匹。弱っていた犬たちは清潔な施設と自然豊かな環境で元気になっていくそうですが、そんな中、こんな問題も。

【西瀧さくらさん】
「もっともっとPRは必要だなって」

最終目的は里親の元に届ける事ですが、2021年度に譲渡したのは19匹。
少し増やしたいと考えています。
しかし、山深い場所柄なかなか多くの人にPRできないことが悩みの種だといいます。

多くの犬を里親に　しかし活動のPRに課題が

【西瀧さくらさん】
「8年ほどここで活動は続けているのですが、篠山にこんな施設が何年も前からあったなんて知らなかったといわれる方がすごく多くてSNSに今、力を入れているのですが、それだけではなかなか広まっていかないもどかしさを抱えている」

そんな西瀧さんたちに良い知らせが飛び込んできました。車が欠かせない丹波地域で日ごろから多くの客が訪れる地元の自動車販売店が篠山アークのPRのために協力してくれることになったのです。

【トヨタカローラ神戸・丹波篠山店　奥元位知子さん】
「丹波篠山店がリニューアルオープンして一周年を迎えます。そこで地元の人と地域を盛り上げることを目的として一緒にイベントができる企業や団体を探していたところ、今回アークが活動している内容を知り、多くの命を救っているのだと感じた。少しでも役に立てるのであればすごくうれしい」

【西瀧さくらさん】
「大手の車のメーカーなので信頼も厚いですし、動物に興味のある人しかこの施設になかなか足を運んでもらいにくいので、こういった場所だといろんな方に知ってもらえるかなとは思っています」

「かわいい、飼いたい」の気持ちだけでなく　ペットの命に最後まで責任を

4月10日、イベントが始まりました。
店内には西瀧さんたちの活動を紹介するポスターが貼られいつもは車が並ぶ駐車場にはテントが設置されてアークの犬と触れ合える会場が設けられました。

【情都会に訪れた人は】
「篠山アークは知らなかったです。捨てられているとか、そういう犬とかはそのあと殺されるとかいろいろあるので、一匹でも多く里親がついたらいいかなと思う」
「妻が里親に興味があると言っていましたので初めて来ました」
「高齢になられてペットが飼えなくなった人もいるのでそういった動物の受け皿として活動しているのはいい活動だと思います」

販売店の奥元さんも参加します。
【奥元位知子さん】
「ちょっと本気で、なんか家族になれたらいいなと。こんなに人が来ると思っておらず、私もびっくりしました。これをきっかけにすごいありがたいです」

PRイベントの反響は？1週間後、西瀧さんを訪ねました。
【西瀧さくらさん】
「いつものイベントより倍は来てくれました。かわいい、飼いたいという気持ちでその場での衝動買いを防ぐため、イベント当日に連れて帰るというのは基本的にアークはしていないです。もう一度しっかり家族で話し合い決めてくださいという流れになることが多いです。先のことを考えて家族に迎えてもらう。最後まで責任をもって飼っていただくことがその子たちの幸せだとは思います」

篠山アークでは電話やメールなどで里親相談などに応じています。
電話：Tel: 072-737-0712 (受付: 10:00-16:00：定休日：月・水曜日)
E-mail：ark@arkbark.net