神戸市灘区の横尾忠則現代美術館では開館10周年を記念し、9日から中国・唐の時代の2人の僧をモチーフにした展覧会が開かれるのを前に8日、内覧会が行われました。
こちらの作品は、中国・唐の時代の僧だった寒山と拾得の姿を表したものです。
寒山は詩人で、本来、詩を書くための巻物を手に持ちますが、横尾さん独自の解釈で巻物がトイレットペーパーに。 拾得には、ほうきではなく電気掃除機を持たせています。
横尾さんは2015年に突発性難聴を患い、頭がもうろうとすることから、あらゆるものの境が曖昧になりました。 さらに近年は自らの身体的な状況と日本画の画風である「朦朧体(もうろうたい)」を重ね合わせて作品を描いています。
会場には、横尾さんの最新作に加えて「朦朧体」のスタイルが表れているとされる1980年代の過去の作品合わせて72点が展示されています。
開館10周年記念「横尾忠則 寒山拾得への道」は、4月9日から7月18日まで開かれています。