3月末で引退 防災研究の第一人者・室崎教授が最後の講義

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防災研究の第一人者で兵庫県立大学大学院の室崎益輝教授が3月末で退任となり、3月12日、最後の講義が行われました 。

兵庫県神戸市にある兵庫県立大学の神戸防災キャンパスで、およそ半世紀にわたって防災研究を続けてきた室崎益輝教授が減災復興のあり方についての最終講義を行いました。

室崎教授は1968年に起きた有馬温泉の旅館火災などをきっかけに防災研究を開始。 神戸大学や関西学院大学の教授を経て2017年から兵庫県立大学大学院で減災復興政策研究科長を務めています。

最終講義では、幅広い視野で大きな自然や課題に向き合う大切さを語り、集まった学生たちに「安全な社会を作りたいという思いを一番に持ってほしい」と、減災復興に対する願いを託しました。

【室崎教授】 「減災というのは巨大な自然に小さな人間が立ち向かうこと。小さな人間が立ち向かおうとするときには人間と人間の足し算がないといけない。『人類にとって減災復興以上に大切な科学はない』という誇りを持たないといけない。その裏返しにとても大きな責任を持ってこの科学に取り組まないといけない」

講義が終わると学生から花束が贈られ、半世紀に及ぶ防災研究に一つの区切りを付けました。

講義を終えた室崎教授は「この世界へ入って次から次へと災害が起きる。現場に行って被災の現実を見たときに『こういうことが起きないようにしないといけない』と思ったのが原点」と話しました。

室崎教授は今後も国内外の被災地を巡って復興を検証する活動を続けるということです。

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