2022年02月25日(金曜日) 15:09 地域・まち報道特集・ドキュメント

【特集】ため池事故”ゼロ”に! 加古川の児童が伝えたいこと

  • 加古川市立志方西小学校

  • 大池に設置されたレスキューペットボトル(加古川市志方町原)

  • ダンべ池(加古川市志方町永室)

地域にある「ため池」について学習している加古川の小学校から、「児童たちが、水難事故で亡くなる人を減らすための提案がある」と投稿をいただきました。

事故で亡くなる人を減らすために子どもたちが思いついたこととは…。

加古川市立志方西小学校は、150年の歴史があり、加古川市内で最も古い小学校の1つです。
4年1組は、全員で19人。 「総合的な学習」の授業で、「ため池」について学習してきました。

2月19日は、1年の授業の集大成、児童たちが調べ、まとめた「セーブ・アワー・ポンズプロジェクト」の発表です。

発表者の児童「兵庫県には約2万2000カ所のため池があり、全国一の数です。 全国のため池は約15万4000カ所あり、兵庫県はそのうちの約14%を占めています。 」

ため池の危険性について、児童たちが芝居を交えて、説明します。

発表者の児童
「私たちの住む志方西地区にもたくさんのため池があります。 志方西地区に暮らす226人にとったため池アンケートでも、私たちの水難事故を心配する回答が多くみられました。

ため池にはどんな危ないところがあると思いますか。
陸と崖の区別がつきません。だから危険です。

ため池事故を防ぐにはまずは必要以上に近づかないことが大切です。

兵庫県の事故を知っていますか。
小学生3人がおぼれて、亡くなった事故です。

この事故が起きたのは、立入禁止看板を無視したからです。
ため池は、事故前の対策はあるが、事故後の対策はありません。」

児童たちがたどり着いたのは、ため池に「レスキューペットボトル」を設置することでした。
自分たちが地域のため池にレスキューペットボトルを設置するだけでなく、児童たちには、もう一つ提案がありました。

発表者の児童
「兵庫県の小学生や中学生のみなさんが、このレスキューペットボトルを作り設置してください。こうすることで水難事故で亡くなる人は必ず減るはずです。」

原地区にある大池は、志方町で最も大きいため池で、1670年ごろ、豪農、神吉久太夫(かんき・きゅうだゆう)が築造したと伝えられています。

池の水は、昭和20年代ごろ作られた珍しい構造の「円形分水工(えんけいぶんすいこう)」から5つの地域の水田に送られます。

原地域づくり協議会の北本典比古代表は、カヌー体験やため池から地区の田んぼまでの水の流れを確認する授業など大池を学習の場にと、協力してきました。

北本代表
「ため池は、農業用水が第一、続いて、大雨時の治水、今まではこの2つが主とした役割だった。
農業している人にとっては、大きな存在。農業している人が、かなり減っている。
農業者だけでなく、その他のいろんな面でため池の存在を知ってもらわないと、この池自体の維持管理が難しくなっている。
私たちとしたらため池自体のことを知ってもらうことで、次の時代につなげていきたいという思いがあった。」

大池には、レスキューペットボトルがすでに設置されています。

北本さん「地域として大いにバックアップしたい。将来に向けて子どもたちが一旦外に出てもまた帰ってきて池とか地域を守ってくれるようになったらうれしい。」

発表の後、児童たちは、学校から歩いて20分ほどのところにある「ダンベ池」に移動。

自分たちが作ったレスキューペットボトルを池に設置しました。

児童「ため池は、危険性が大きいけれど、ため池は、とてもいいものだと知ってほしい。」
「ほかの子どもも、大人も、レスキューペットボトルを作ってもらったらいいなと思う。」

児童たちに、レスキューペットボトルの使い方の実演をお願いしました。

4年1組の担任山本颯さん
「自分たちの古里は、自分たちで守っていかないとという心が子どもたちに芽生えたらいいなと思って指導してきた。
特に私からこれしよう、あれしようと言っていない。子どもたちが自分たちで情報を集めて、メディアを使って発信したいと言ったのも子どもたち。主体性がすごくついたかなと思う。」

4年1組全員
「おぼれている人を見たら、このレスキューペットボトルを使ってね。」

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