2月8日、厚生労働省は、保育所での感染対策について、指針をまとめました。
そこでは、2歳未満にはマスク着用を推奨しないとしたものの、2歳以上には、息苦しさを感じていないかなどに注意し、可能な範囲で着用を推奨する、としています。
子どもへのマスクの着用。親はどのように受け止めているのでしょうか。
(2歳の子を持つ母親)
「呼吸器系がまだ発達していない状態でマスクをつけるのは私は反対で、この子は着けさせてないです」
「たまに面白がって着けますけど、やっぱり続かない。児童館とかに行く時は『着けてもらえたら』と言われるので着けてみるけど、向こうもそんなに強制はしていないのでできるところまでやって、という感じ」
(4歳の子を持つ父親)
「外だったら着けないようにするんですけど、食事に行ったり買い物するときは着けるようにしています。どうしてもずれてしまうからなかなか難しいですね」
子どもへのマスク着用には慎重な意見が多いようです。
神戸市内の公立保育所では、子どもたちを感染させてはいけないと、対策に追われながら運営を続けています。
(保育所所長)
「ご飯食べるときは静かにしようね、とか言うんですけど難しいですね。園の中だとやっぱりお友達と触れ合って大きくなるのが大切なように思うのでそこは消毒にかけるしかない のと、保護者の方の協力があって今運営できている」
この保育所では、4歳と5歳児のクラスのみ、マスクの着用を選択できます。一方で、3歳児以下には、安全と発育の面から、着用はさせていないといいます。
(保育所所長)
「マスクをしている形だけに終わるのではないかと思うので、それよりもお友達の表情を読み取る、先生の表情をみる訓練もいるだろうし呼吸器の発達もあると思うので、私としてはしなくてもいいのではないかと思っています。」
小さな子どもたちを守るため、この保育所では、新型コロナウイルスの感染拡大前から、当たり前のようにウイルスへの対策を行ってきたと話します。
(保育所所長)
「コロナの前から長年やってきたことですけど、こういう時期だから余計に念入りに(消毒を)しています。ただ、時間がとてもかかるので、その間子どもたちが外で遊んだりいろいろ工夫しながらやっています。(遊具を)いっぱい触るし、口に入れたりするし、外で干したりとか毎日していてその積み重ねでやっている」
遊び疲れた子どもたちが夢の中にいる間も、職員一丸となって、安心・安全な環境づくりに取り組んでいます。
神戸・元町でクリニックを営む、小児科医の大内医師です。
このクリニックでは、これまで大人を含む300人以上の新型コロナウイルス感染者を診察してきました。
(みなと元町小児科 院長 大内医師)
「1~2歳のお子さん発端でコロナにかかっている方はほぼ皆無なんですね。実際には親御さんや保育士からの発症だったり、そういったところの陽性からうつってしまう例がほとんど。まずは大人の世代で症状があった場合には早めに検査を受けて診断の上隔離するのがコロナを保育園に持ち込まない意味合いでは最も大事なのではないか。」
大内医師は2歳前後へのマスクの着用は推奨できないと話します。
(大内医師)
「2歳前後のお子さんでマスクの適切な着用がなかなか難しいという現状がある。吐いたことに関してもマスクをしていることによって発見が遅れたり見逃されることもあるし、一番はやはりお子さんというのは基本的にまねて学んで成長していくものなので、マスクを着用することによって人間の表情だったり口元に視点がいかないこともあるので、言語発達の面や精神面での情緒の発達という意味で果たしてマスクの着用が本来望ましいのかは今後考えないといけない。」
その上でできることとは。
(大内医師)
「基本的な風邪の対策にはなるが、しっかりした手洗い、またオミクロンの特徴は強い喉の痛みから発症することがかなり多いので、喉を守るような、例えばうがいや家の加湿が最も大事ではと伝えています。」
子どもたちのために、大人ができる最大限の感染対策が求められています。