バンドー神戸青少年科学館のプラネタリウム投映機。20日、惜しまれつつも18年の歴史に幕を閉じました。
(スタッフ)
皆さま、本日は本当に本当に、足をお運びいただきありがとうございました。
(拍手)
20日、バンドー神戸青少年科学館のプラネタリウム投映機が、老朽化によるリニューアルのため、最後の公演となりました。
(公演を観た人たち)
楽しかった。
よく頑張った。「ありがとう」と思いますね。
18年間に延べおよそ209万人が鑑賞し、およそ3万6000回ものプログラムをこなしてきました。
投映機「GSS-KOBE」。スタッフからは親しみを込め「おじいちゃん」と呼ばれ愛されてきました。
(バンドー神戸青少年科学館 古田綾香さん)
GSS-KOBEは18年というと機械的に「おじいちゃん」と呼ぶのにふさわしい。
たくさんの人に幸せや癒し、勇気を与えてくれて「ありがとう」と伝えたい。
(バンドー神戸青少年科学館 長尾碧さん)
(GSS-KOBE)は先輩であり一緒にやっていく同僚。
おじいちゃんであり、先輩であり、そして同僚。そんなかけがえのない仲間と最後のプログラムを行ったひとりが長尾碧さん(28)。
プラネタリウムに関する仕事・インタープリターに就いて3年目。科学館にいる5人のインタープリターのうちのひとりです。
(長尾さん)
(高校生のとき)部活としてプラネタリウムの解説をやっていた。
部活でやっていた「星の楽しい見方を伝える」が楽しくて、プラネタリアンになりたいと思った。
昔からの夢を叶え、神戸青少年科学館でインタープリターになることができたのです。
この日はラストラン公演まであと5日。長尾さんの練習にも熱が入ります。
(長尾さん)
太陽が少しずつ沈んでいって、夜になっていく様子を見ていきましょう…。
通常の公演ではひとりで投映を行うのですが、ラストラン公演は5人のインタープリター全員で投映を行います。通常公演と違う点はほかにも。
(長尾さん)
最終投映の脚本というか、投映者が読むシナリオ。
筋書きを書いたのは私。ポイントは番組のうたい文句通り「GSS-KOBEの動き」に注目。
普段やらない速度で動かすので、機械にとっては相当な負担。
最後の日は、故障を恐れ普段は使っていない機能をつぎ込んで、おじいちゃん投映機にがんばってもらいます。
(バンドー神戸青少年科学館 普及展示ディレクター 有村直子さん)
こんなに並んでいただくのも久しぶり。すごく楽しみ。
時刻は午後6時。いよいよ最後の公演が始まります。
(長尾さん)
この時間は、18年間星空を映し続けてきた当館のプラネタリウム投映機・GSS-KOBEの最後の星空投映をお楽しみください。
(インタープリター 杉山周平さん)
この形が「みなみじゅうじ座」。88個の星座の中で最も小さい星座…。
(インタープリター 樽谷直樹さん)
オリオン座のベテルギウス。おおいぬ座のシリウス。こちらはこいぬ座のプロキオンです。
3個の星を繋いでできる形が「冬の大三角」。
そしてプログラム終盤…
(長尾さん)
我々もGSS-KOBEが耐えてくれるか分からない動作をしていく。
それは普段の公演ではやらない早い星の動き。おじいちゃんが壊れてしまう可能性もあったのでリハーサルもできなかったんです。
(スタッフ)
(スピードが)これが75%。もっといける!90%…これが100%です。
(拍手)
(公演を観た人たち)
他のところでプラネタリウムを見たことはあったけど、機械自体が動くというのは初めて。「こんな動きをしているんだ」と思った。
最後のお別れなのでちょっと悲しい。GSS-KOBE、今までありがとうございました!
(長尾さん)
終わってからお客さんからの温かい言葉や、撮影されているGSS-KOBEを見ると涙が出てきそう。(GSS-KOBEは頑張ってくれた?)もちろんです。止まると思っていた。本当に感謝の一言です。
18年間星空を映し続けたおじいちゃんのプラネタリウム投影機・GSS-KOBE。本当にお疲れ様でした。