今回は姫路の小学校で起きた体罰・暴言問題について考えます。問題発覚からおよそ5か月。今回の問題、専門家や障害の子を持つ親の会はどう見ているのでしょうか、取材しました。
神戸親和女子大学。学校心理学が専門の金山健一教授は今回の問題をどう見ているのでしょうか?
(神戸親和女子大学 金山健一教授)
管理職の問題が一番大きいと思う。管理職が早期対応していればここまで子どもたちを苦しませる必要はなかった。
管理職の事なかれ主義や認識不足をどう解消すればいいのでしょうか?
(金山教授)
子どもたちを中心に考えていくということが重要。みんなで支え合いながら、足りないところは相互に支援しながら持って行かなかればならない。管理職は教育委員会とももっともっと連携しなければいけない。担任の先生方はもっともっと保護者とも連携しないといけない。
これから「チーム学校」とか「チーム支援」という言葉が出てきているように、チームで対応するという学校文化を作り上げていかないといけない。
障害のある子の親たちで作る「手をつなく育成会姫路地区」の竹中正彦さん。
体罰・暴言問題を受け、ウエブで緊急アンケートを実施。保護者や教員など575人から回答を得ました。暴言を見聞きしたが11.8%。体罰などを見聞きしたが10.1%と問題が浮き彫りとなりました。
(手をつなく育成会姫路地区 竹中正彦さん)
個に応じた適切な指導がなかなか行われていないというのがたくさん書かれていた。
特別支援学校の教諭でもあり、現在行われている再発防止の検討会議で委員のひとりをつとめる竹中さん。親にも教諭にも特別支援教育コーディネーターを活用してほしいとしています。
(竹中さん)
専門性の高い地域支援を担う特別支援コーディネーターをどんどん地域の小中学校も活用されると共同で支援を進めていける。
姫路市教育委員会。今回問題となった管理職の不適切な対応について、意識をどう変えていくのでしょうか?
(姫路市教育委員会 三木達也課長)
目の前に起こっている色々な事象について、危機はないのかという意識で物事をみてもらうというところが一番大事。研修や校長会に毎月行って危機意識高めてもらえるようお願いしている。
では、学校と市教委また教員同士で相談ができない風通しの悪さについては。
(三木課長)
教育委員会に対してひとつの敷居が高いと思っておられる校長先生方もおられる。(教育委員会)どの課にも相談頂ければ。
市教委では市職員の公益通報制度や児童生徒向けの相談ダイヤルを設けていて、周知徹底に努めたいとしています。また特別支援学級の支援の人手不足については?
(三木課長)
予算措置をして人を増やすのもひとつ。ボランティアを活用してはどうかというご意見も頂いている。今後できることから取り組んでいきたい。