南あわじ市の話題です。2年前、子宝ダイコンとしてちょっとした話題となった「9股ダイコン」ですが、これを超える新たなダイコンが誕生したということで取材しました。
新たなダイコンが展示されたのは、南あわじ市の賀集公民館。実は、この公民館では2年前にも世にも珍しいダイコンが展示されていたのです。
ダイコンの根っこが9本に分かれた9股ダイコン。その名も「ねずみ年の子宝ダイコン」。子孫繁栄の象徴とされるネズミにちなみ 名付けられました。
そして、ことし。9股を超える新たなダイコンが誕生。小さな根っこが中に入り込んで見えづらいですが、12に分かれた「12股ダイコン」なのです!
(山形澄子さん)
最初見たときビックリして。「こーんなの また出たわ」と「これは公民館にまた持って行こう」と思って。ビックリしました。
栽培したのは 南あわじ市に住むダイコン栽培歴50年以上の 山形澄子さん。2年前の9股に続き、12股ダイコンまで栽培してしまったのです。
(澄子さん)
この種蒔いたときに雨が降らなくて、芽が出るのが結局1週間10日以上して大雨でやっと芽が出たんです。芽出たから手入れして、葉っぱもこの通りきれいに。立派なのができたと思って引いたらこんなんだったんです。
50年以上のダイコン栽培歴の中でもこんなダイコンは初めてだと言います。
こちらは12股ダイコンを収穫した、澄子おばあちゃんの畑。
(澄子さん)
(ダイコンを抜いて)ほら、ふたつに分かれてる。きれいだと思ってもこんなんだ。こんなんできるのは初めて。いつもきれいなの、すんなりとね。持って帰る?いらん?おいしいのはおいしいで。
スタッフにダイコンを分けてくれる、心優しい澄子おばあちゃんなんです。
そんなおばあちゃんが作った12股ダイコン。このダイコンについて、10年以上野菜について教える兵庫県立農業高等学校の園芸科教諭・木村展久さんに聞いたところ…。
(木村教諭)
この様に枝分かれしている状態を「岐根」と言います。本来であれば一番太い「主根」という根っこがどんどんと成長して1本のきれいなダイコンになるが、この主根に何らかの問題が起こったとき、細い根っこの「側根」も一緒に大きくなることで「岐根」になる。
気になるのはその「味」ですが、普通のダイコンと味は変わらないそうです。ただ木村さんによると「とにかく調理がしにくい」とのことです。
2年前の9股ダイコンはネズミ年に採れて、子孫繁栄の象徴とされるネズミにちなみ「ねずみ年の子宝ダイコン」と名付けられました。
この12股ダイコンもことしの干支・寅年にちなみ、「ある名前」が付けられました。その名も「ウル虎ダイコン」!澄子おばあちゃんが公民館の中田館長と一緒に名付けました。
そんなダイコンですが、すでにシワシワになり処分されてしまったので、残念ながらもう見ることはできません…。