特集です。「丹波篠山映像大賞」をご存じでしょうか?
アマチュア映像作家の登竜門と言われているこのイベントに挑戦するひとりの女性を丹波総局の駐在カメラマンが取材しました。
働きながら映像制作に没頭 狙うはグランプリ
丹波市に住む足立誠子さんは2020年から丹波篠山市の映像祭に参加しています。
足立さん:「私はウクレレをやっていてそれをみんなで撮影してみんな見見せて喜んでもらうぐらいの個人的な楽しみしかなかったんです」
足立さんは日ごろ働くかたわら、映像祭だけのために仲間2人と「虹色シネマクラブ」という映像サークルを結成。作品制作を始めました。
足立さん:「結成は2年前の夏、8月くらいだと思います。監督という立場で制作させていただいています。まったく初心者だったのですがこの教科書にかなり助けられました」
自分で書いた脚本をパソコンなどで編集し仕上げた作品は素人ながら高く評価され2020年、準グランプリを獲得しました。
前回は準グランプリ 映像祭のテーマは「生きる」
2020年9月から開始して約3カ月をかけて制作された作品「約束」は、去年の準グランプリを獲得しました。
実話をベースにしたこのドラマは映像作家を目指すひとりの若者と同じ職業を目指す女性とのある「約束」を中心に描いた作品です。毎年2月に開かれている丹波篠山映像祭は映像作家の登竜門として2022年で33年目を迎えた歴史あるイベントです。
髙見さん:「映像を通じて市民の心が豊かになってもらえれば良いなという思いで映像大賞の運営に携わっております」
映像祭では「生きる」をテーマに7分以内の動画を募集。2022年は全国から71本もの作品が集まりました。その中から足立さんの最新作「ゆめのあとさき」を含む5作品が決勝に進みました。
「諦めないで生きて」映像に込めた思い グランプリなるか?
足立さん:「コロナ禍で自殺する人が増えているというのもあり、そういう自殺するのをちょっと待ってというブレーキをかけたい思いもあって制作した。自分がSOSを出したら誰かがそれをキャッチしてくれる。だからあきらめないで生きてほしい。そういう思いを伝えたい」
主人公の少女を通して命の大切さを問う作品になったといいます。この作品で足立さんは見事グランプリを取ることができるのでしょうか?
2月6日、新型コロナの影響で2021年に引き続き観客を制限して実施された映像祭。
いよいよ始まりました。
足立さん:「映像で生きづらさを感じている人にとって少しは寄り添えるじゃないだろうかと思い作品を作りました」
審査員へのアピールも終えた足立さん。さて、その結果は?
司会:「第33回丹波篠山映像大賞は、『living alone』です」
グランプリは京都府福知山市の大学生前田周さんに贈られました。
前田さん:「とてもうれしいです。いろんな方に受け入れられたんじゃないかと思います」
惜しくも足立さんはグランプリを逃しましたが特別賞を受賞し、早くも次の挑戦を決めたといいます。
足立さん:「前回、悔しい思いをして『頑張るぞ』という気持ちで臨んだのですが、大賞を取り逃してしまいました。審査員にアドバイスいただいたことを改善点として次はもっとより良いものを作りたいと思っています。一度乗り掛かった舟、またグランプリが取れるまでがんばりたいと思います」