2021年12月21日(火曜日) 11:13 報道特集・ドキュメント

県内で進む暴力団事務所撤去の動き

指定暴力団・山口組の分裂から6年が経ちました。抗争終結の道筋は見えませんが、ことしに入り、県内の暴力団事務所が相次いで姿を消しています。背景に、自治体の積極的な取り組みがありそうです。

淡路市議会で12月、異例の議案が提案されました。それは、市が所有者から直接、暴力団事務所を買い取るという内容です。

淡路市が購入を決めたのは、指定暴力団神戸山口組の本拠地だった「侠友会」の土地と建物です。この事務所は2015年、指定暴力団山口組の分裂後、神戸山口組が拠点として使用していましたが、2017年に裁判所が事務所の使用を差し止めました。さらに去年、山口組と神戸山口組が「特定抗争指定暴力団」に指定され、事務所の立ち入りが禁止されていました。

今回、淡路市は第三者機関を介さず、所有者と直接交渉を行いました。市は価格は妥当で暴力団側への利益供与にあたらないと説明し、購入後は、防災関連施設として利用する方針です。

一方、尼崎市はことし3月、暴力団幹部の自宅の買い取りを発表しました。自治体が事務所以外の施設を買収するのは全国で初めてのことでした。幹部の自宅では去年、発砲事件も発生していて住民の安全確保のため市が積極的に関与した形です。

尼崎市では12月、指定暴力団絆会の本部事務所の解体工事が始まりました。この事務所は50年前ほどから現在の場所にあったとされ、住民の訴えを受けた神戸地裁が2018年、使用差し止めの仮処分を出し、組関係者が立ち入れない状況が続いていました。

尼崎市では、このほか絆会の別の事務所もことし秋に解体され、更地になりました。この事務所はおよそ30年ほど前からあり、絆会の拠点として使われましたが、2019年には使用を差し止める仮処分が裁判所から出されていました。

二つの事務所はいずれも民間事業者に売却されています。

暴力団事務所の解体が進む尼崎市では11月、市が警察とともに「かんなみ新地」と呼ばれる風俗街に対し、初めて違法営業を禁止する警告文を出しました。およそ30店でつくる組合は解散し、戦後70年続いていた風俗街は姿を消しました。

暴力団追放運動に詳しい垣添弁護士は、違法な風俗街の「解散」は尼崎市の成果だと指摘します。

自治体が積極的に取り組む暴力団対策。今後は他の自治体に広がっていくかもしれません。

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