2021年12月20日(月曜日) 15:50 報道特集・ドキュメント

追悼行事「1.17のつどい」再整備工事で来年どうなる?

阪神淡路大震災から来年1月17日で27年。毎年、神戸市では追悼行事「1.17のつどい」が営まれてきましたが、来年の開催について規模を縮小することが発表されました。何があったのでしょうか。

6434人が亡くなった阪神淡路大震災。追悼行事「1.17のつどい」は、毎年1月17日に神戸市中央区の公園「東遊園地」で開かれ、震災発生時刻の午前5時46分には、訪れた人たちが黙とうを捧げています。

「阪神淡路大震災1.17のつどい」は毎年、遺族や市民などでつくる実行委員会が絶やすことなく東遊園地で行ってきました。

震災で奪われたすべての命と生かされた人の思いを結ぶ「希望の灯り」から分灯して文字をかたどる竹灯籠には、多くの遺族がそれぞれの願いや思いを込めて火を灯します。

しかし、ことし11月から公園の再整備工事が始まり、来年の開催が困難であることが明らかになりました。

神戸市から実行委員会へ話があったのは、ことし10月中旬。つどいの実行委員長を務める藤本真一さんは、そこで配られた会場の図面を見て、来年のつどいを開催することはできないと感じたと言います。

藤本さんをはじめ、実行委員会のメンバーは神戸市と何度も協議を重ね、その結果、公園の西側のフェンスが取り外されることになり、何とか動線を確保できるようになりました。

12月10日、実行委員会は会見を開き、つどいの詳細を発表しました。

出入り口が限られることから午前5時から午前6時半まで入場を制限するほか、竹灯籠の数を半分に減らし、竹灯籠でかたどる文字の大きさも半分にします。規模を縮小して開催するのは初めてです。

阪神淡路大震災で弟2人を亡くした柴田大輔さん。毎年欠かさず家族とともにつどいに訪れています。

弟たちは当時3歳と1歳。幼くして失われたいのち。その悲しみはいまも癒えることはないと言います。柴田さんたち家族にとって、毎年行われるつどいは、弟たちに会うことのできる場所となっています。

遺族のためにも、震災を知らない世代のためにも、中止ではなく続ける。市民の力で続けてきたからこそ、その思いや教訓が引き継がれてきました。藤本さんたちは1月17日に向けて準備を進めます。

「1.17のつどい」の活動は、運営費が寄付金でまかなわれています。実行委員会は今後も震災の記憶をつないでいくために、インターネットによるクラウドファンディングを導入し協力を呼び掛けています。

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