2021年11月26日(金曜日) 11:47 報道特集・ドキュメント

障害者の学校卒業後 学びと就労で切れ目ない支援

今年4月三田市にオープンした、障害者の就労支援事業所「ユニバーサルワークキング」。ダウン症や自閉症、知的障害のある6人が利用しています。記帳代行を請け負う全国的にも珍しい事業所です。

神戸市北区から通う朝民健吾さん(21)。朝民さんはダウン症で、元々パソコンのスキルはなかったとのことですが、今ではワードやエクセルを使いこなせるようになりました。

委託する税理士はパソコンを使った障害者雇用に大きな可能性を感じています。

(税理士 藤本龍さん)
パソコンを使った作業が得意な方もいらっしゃる。こういう作業所等に依頼する機会というのは増えていくと思います。

笑顔を見せる朝民さん。仲間と楽しく働いています。

一般的に障害者が事業所で行う仕事はシール貼りなどの軽作業が中心で、低い工賃が課題となっています。一方、「ワーキング」では記帳代行によって工賃の改善につなげています。

調理が始まりました。「ワークキング」では予約制で近くの専門学校などへ400円でお弁当を販売しています。天ぷらを揚げ、海苔を切り、卵焼きなどを盛りつけ、ご飯を計量。仲間と協力し完成させます。

(利用者の藤本和さん)
お弁当を待ってくれている人がいっぱいいるのでうれしい。全部です。

朝民さんにとってここは大切な場所だと母親は話します。

(朝民さんの母 しおりさん)
大好きな友達に囲まれて、大好きな仕事をして、週末は自分が好きなダンス教室に行っているんですが、好きな女の子がいて、すごく充実して青春を謳歌しています。

朝民さんの成長の秘密を探るべく、事業所から車で10分ほどのある場所へ向かいました。

こちらは朝民さんが通っていた「ユニバーサルカレッジ」。障害のある人が学ぶ「専攻科」として2019年4月に開設しました。特別支援学校卒業後、パソコンやダンスなどを2年間学ぶことができる、いわば「障害者の大学」です。

「カレッジ」の利用者のひとり、三田市の大林加歩さん(19)。発達障害があります。穏やかな性格でピアノや漢字が得意です。

パソコンの授業では片手ではなく両手。自分で考えた文章をどんどん打ち込みます。練習の成果も出ています。

続いて、プロの講師によるダンス指導が始まりました。ノリのいい指導で楽しんで体を動かし、自分を表現していきます。

(大林さんの母 恵里子さん)
「カレッジ」は子どもの少しずつハードルをあげて、色々なことにチャレンジさせていく。就労でもなく、軽作業で一生終わるのではなく、色々な可能性を見出してくれる。

大林さんはカレッジの隣にある放課後等デイサービス「ユニバーサルスクール」の卒業生です。放課後等デイサービスは長所を伸ばしつつ、障害の特性が原因の生きづらさを解消するための療育施設です。

大林さんは中学1年生から6年間通学。同じ環境の中で安心して通い、障害の特性を理解してくれる人たちの支援が大きな力になったと言います。3つの事業所を運営する野村代表も、信頼関係を築いた上で長く継続した支援をしていきたいと話します。

(ユニバーサルカレッジ 野村ひろ子代表)
切れ目の無い支援。どんどん皆さん(自己)肯定感が高くなっていくし、障害者が色々な仕事ができるようにしていくことで(仕事の)選択もできるようにしていきたい。

障害者が学校を卒業した後に必要な多くの選択肢や切れ目の無い支援。今後の更なる拡大が求められています。

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