2017年、神戸市北区で祖父母ら5人を殺傷したとして殺人罪などに問われた男性を無罪とした神戸地裁の判決を不服として、神戸地検は控訴しました。
30歳の無職の男性は、2017年7月、神戸市北区で同居する祖父母(当時83)と近くに住む女性(当時79)を包丁で刺すなどし殺害したほか、母親(57)ら2人に重傷を負わせたとして殺人や殺人未遂などの罪に問われていました。
裁判では男性の刑事責任能力の有無が争点となり、検察側は、善悪の判断能力は著しく低下していたが、完全に失われてはいない心神耗弱状態だったとして、無期懲役を求刑していました。
11月4日、神戸地裁で開かれた裁判員裁判の判決では、「男性は当時、統合失調症の影響で心神喪失状態だった疑いが残る」として無罪が言い渡されました。
これに対し神戸地検は、重大な事実誤認があるとして16日、大阪高裁に控訴しました。