劇場型水族館「アトア」 オープン前の裏側に潜入

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10月29日、神戸市中央区に劇場型水族館「アトア」が誕生、オープン前の舞台裏に潜入しました。

暗闇に浮かぶ大きなボールに舞い泳ぐ色とりどりの魚たち。
アクアリウムとアートが饗宴する新スポット「アトア」。
オープン初日から、予約は満員。
優美な空間の裏側では・・・新人飼育員の奮闘がありました。

アトアは、三宮駅から歩いて南へおよそ20分、三宮再開発の一環で、ウォーターフロントに誕生しました。
今春、アトアの海水エリア担当として入社した福山千夏さん。生まれも育ちも兵庫県宝塚市です。

イルカの調教師を目指し進んだ大学で、「海の脇役」の魅力に惹かれるようになりました。
憧れの職業は、地道な体力勝負です。
魚1匹1匹、体調をチェックしたあとは、水槽の掃除。
道具を使い分けながら入念に進めます。
続いては、エサの準備。
魚の種類や体調に合わせ、アジ、イカ、エビなどを、切り分けます。

重要なのはここからです。
エサの食いつきをじっと観察します。
魚たちの不調のサインがもっとも表れやすい瞬間だといいます。
先輩飼育員、水野光大さんも一緒に見守ります。
須磨海浜水族園で飼育経験があるベテランです。
中でも、時間をかけて観察するのがひときわ大きな水槽。
フードコートからも見上げることができる、施設の目玉のひとつです。
ここに、アトアならではの飼育の難しさがありました。

アトアでは、日本最大級のボール型や円柱型など、水槽が魅力のひとつ。
しかし、魚の多くは、オープンに合わせ別の水族館や海から運ばれているため、警戒心がとけるのに時間がかかるといいます。
福山さんの気づきがきっかけで、水槽を引っ越した魚もいます。

オープンまであと一日。
人一倍、生き物に向き合ってきた福山さんですが、心配な事がありました。
アトアには、ショーのようなイベントがありません。
その分、生き物の魅力をどう伝えるかが、大切なミッションなのです。

オープン当日、続々とお客さんが入ってきました。
飼育員として人前に立つ初めての経験です。
しかし、なかなか声をかけられません。
会場を離れてしまいました。

およそ30分後、福山さんが、戻ってきました。
手には、エサです。
憧れの飼育員として社会人として、大きな一歩を踏み出した福山さん。
挑戦は、これからも続きます。

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