2021年11月04日(木曜日) 17:50 事件・事故

神戸市北区5人殺傷事件 被告に無罪判決

2017年、神戸市北区で祖父母ら5人を殺傷したとして殺人などの罪に問われていた男性に対し、神戸地裁は、無罪を言い渡しました。

神戸市北区に住む無職の30歳の男性は2017年7月、同居する祖父母(当時83)と近くに住む女性(当時79)を包丁で刺すなどし、殺害したほか、母親(57)と 近くに住む女性(69)を襲い、重傷を負わせたなどとして、殺人と殺人未遂などの罪に問われていました。

これまでの裁判で男性は、起訴内容を認めていて被害者や被害者家族に謝罪する言葉も述べました。

男性は事件当時、統合失調症だったとされ、争点は刑事責任能力の有無となっていて、弁護側は、「心神喪失状態であった」と無罪を主張していますが、検察側は、統合失調症の影響は限定的として無期懲役を求刑しています。

4日神戸地裁で開かれた裁判員裁判の判決で、飯島健太郎裁判長は、「統合失調症の影響で正常な精神作用が機能しておらず、心神喪失状態だった」として男性に無罪を言い渡しました。

判決を受け神戸地検は、「内容をよく検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい。」とコメントしています。

裁判員の1人は「世の中や遺族は納得できないと思うが、法律上、また協議の結果こうなった」と話しました。

殺害された近所の女性(当時79)の遺族は「ただただ絶望しています。何の罪もない3人が命を奪われたのに、犯人は法律で命を守られたことに到底納得できません。同じような思いをする人がいなくなるよう、責任能力という制度と運用を見直すきっかけにしてほしいです」とコメントを公表しました。

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