被災者とボランティアが気を付けること
平均すると台風が5つ発生する9月。9月に入ってから、すでに台風13号と14号が発生しています。もし台風や大雨によって家が被災したら、新型コロナウイルス以外の感染症にかかるリスクがあります。
ボランティアのプロが伝える備えと対策とは?
もし家が被災し、泥かきをすることになったら?
その場所にはさまざまな細菌が潜んでいます。
(兵庫県医師会 足立光平副会長)
「くぎを踏み抜いての感染症(破傷風)ももちろんありますし、胃腸系 嘔吐・下痢が多かった。冬場であれば、普通の風邪から肺炎になりやすい。特に被災地の場合、ほこりとかごみとかを吸い込みやすい」
ボランティアのプロが教える被災地での感染症対策
ボランティア団体 チーム神戸代表の金田真須美さん。阪神淡路大震災後、全国の被災地でボランティアをしてきました。
(チーム神戸 金田真須美 代表)
「衛生管理が1番重要かもしれません。私たちが災害現場に赴く時には、そこは雑菌だらけの場所に行くわけですよね。自分の体を清潔に保てるだけのものを」
まずは家の中で、カビがまん延しないように換気をして乾燥・消毒を。ほこりを吸い込まないようにマスクをするほか、泥についた細菌からしっかりと身を守る服装で作業をする必要があります。
(チーム神戸 金田真須美 代表)
「災害現場で豪雨水害って夏が多いですけど、長袖を着ていきます。泥かきのボランティアにも推奨しています。体を守るというのもあるし、日焼けが少ないと熱による体の疲れ、疲労が多少軽減される」
重装備だからこそ、熱中症対策も必要です。靴は破傷風を防ぐために底が分厚い安全靴を。状況によって長靴とひも靴を履き分けます。
(チーム神戸 金田真須美 代表)
「(浸水の)深さによって、水圧がかかりすぎて逃げてしまうから長靴がよろしくない時もある。濡れてもいいくらいのつもりでトレッキングシューズ、ひも靴がベストだったりもします」
泥がついた手で蚊に刺された場所をかきむしってしまった…
完全に防備していても意外なところから被災者が感染症にかかった事例も。
それは蚊に刺された場所です。
(チーム神戸 金田真須美 代表)
「意外と無意識におしゃべりしながら、かきむしったりしていて結構傷になっていますよね。あそこから雑菌が入ってきたりするんですね」
手洗い、うがい。シャワーを浴びるほか、作業着は普段着と別に洗濯する必要があります。
金田さん自身も西日本豪雨の被災地でほこりが目に入り病院で治療を受けました。
(チーム神戸 金田真須美 代表)
「砂粒ごときと思って軽んじてしまって、ビリビリと痛いわけですよね。ほんの少しの量でもつい汗をかいて汗をぬぐったりすると、顔についた粒が汗と一緒に流れて目に入ってきたりするので。目の洗眼液を必ず持っていた方がいい」
災害時には断水が起き、下水が泥に混じるなど衛生環境が悪化します。
家が被災した場合、新型コロナウイルス以外にも感染症のリスクがあることを知った上で、泥かきなど片づけを行う必要があります。