2021年08月30日(月曜日) 19:38 地域・まち新型コロナ

学校再開~子供から親への感染に注意~ 家での看護はワクチン接種者が優先

猛威を振るっているデルタ株の特徴や学校の再開について、兵庫県医師会で感染症対策を担当する足立光平副会長に聞きました。

(足立光平副会長)
今まで子どもにはかからない。あるいは重症化しないという話がありましたが、それを上回る形で影響が出てきているのかなと。

これは、京都大学大学院の西浦博教授が示した感染予測のシナリオです。
学校が始まった場合、19歳から24歳、18歳以下の感染が拡大するという予測が。さらにその親の世代、25歳から39歳も40歳から59歳も伸びるという予測が示されています。

Q子どもが学校に行って、家庭内に親の世代にうつるということが考えられる
(足立光平副会長)
人流という意味では学校の動きは非常に大きなものがあるので、そういう影響はありうると思う。中高生以上の反応が強く出てきて、今でも結構発熱外来に来て陽性率が高いのは中学生が高くなってきていますから、そういった世代の感染が学校再開でより強く出てくる。
子ども同士の感染ももちろんありうる。だけど、重症化率からすれば子どもほどそんなに強くはないということも事実なので(一斉休校など)あまり過剰になりすぎるのも困る。

子どもは軽症のまま回復することが多く、リスクが高いのはワクチン接種が終わっていない親への感染です。

(足立光平副会長)
12歳から打ってもいいという話で、どんどん下(12歳未満)から打つのかという話になると、逆に子どもたちへの影響がまだ分からないところもあるので親の世代にしっかりとワクチンを打って、たとえ子どもたちが持って帰ってきても家中にうつらないという構造に早くしてしまう

国内で流通しているワクチンはデルタ株でも効果が認められていてワクチン接種が進んでいる70歳以上の世代は感染者数が大幅に減少しています。

Q.70歳以上の感染者数が下がっている
(足立光平副会長)
確実にワクチンの効果だと思いますね。8割以上、県内でも高齢者の接種が終了してきているので、やはりそこは大きな違いがあると思いますね

しかし、親の世代の多くはワクチン接種を終えていません。
もし子どもや家族が感染した場合、兵庫県は、

家の中でも全員がマスクを着用すること。
食事も寝る時も別室に。
タオルなど共用は避けてこまめに手洗いと換気を。
ティッシュなどのゴミは密閉して捨てるよう呼び掛けています。

それでも…。

(足立光平副会長)
狭い家庭の中で完全に防ぎきるというのはなかなか。これは至難の業だと思う。
そういう意味でも(親の世代が)ワクチンを早く打ち切ると。

もし、ワクチン接種を終えた人がいれば優先して看護するべきだと指摘します。

(足立光平副会長)
ワクチン接種の状況に応じてしっかりと2回打てて元気な方が注意をしてサポートをするということができればベストだと思う。
Q打っているのが高齢者しかいない場合もある
しかし、その人しかいなければ他の若い家族の方が危険なわけですからそこはおのずと注意してやっていただくしかない。

家庭内感染のリスクが高い家庭の場合、たとえ待つことになっても宿泊療養施設に入ることを要望してほしいと足立副会長は話します。

(足立光平副会長)
家庭の中に重症化する可能性を持っている人、ワクチンを打っていない、あるいは打っていても(持病のある)高齢者でリスクのある方がどうしてもいると。まだうつっていない子どもと赤ちゃんもいるという家庭環境の場合、同居させたら完全にうつってしまう。まだチャンスがあるのであれば、1人だけでも宿泊療養施設に行っていただく。

また、学校での感染拡大を防ぐためにももし子どもの体調が悪いようなら、無理して学校に行かせてはいけません。

(足立光平副会長)
普段よく見ている親しか分からないこともあると思うので。いやこれはいつもと違うねということがあれば、熱が少し、そんなに高くなくてもちょっとこれはやめておこうかなと。抗原検査キットを学校に配るという話があるが、それは本末転倒の話であって、学校に来てしまってから検査をするというのはちょっと違う話。そうじゃなくて家庭で管理をして、もしちょっとでも具合が悪かったら心配なことがあれば、家族も含めてそういうことがあればちゃんとした検査機関にかかって検査を受ける。

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