2016年、神戸市の洋菓子メーカーで働いていた男性が自殺した問題で、上司のパワハラや長時間労働が原因だったと会社側が認め、和解したことが分かりました。
和解を受けて会見を開いたのは神戸市の洋菓子メーカー「ゴンチャロフ」で勤務し、2016年に自殺した前田颯人さん(当時20歳)の母・和美さんです。
颯人さんは2014年に入社後、ミスをすると上司から「牛の餌を作っているのか」などの暴言を吐かれたり、大声で怒鳴り散らされたりしたほか、多い時には、月に87時間から109時間にのぼる時間外労働があったということです。
これまで、和美さんは颯人さんが自殺したのは、上司のパワーハラスメントと長時間労働によるものとして西宮労働基準監督署に訴え、2018年に労災が認定されていました。
そしてことし6月、会社側は「過重労働やパワーハラスメントがあった認識はない」としてきた内容を誤りと認めた上で、「社内では怒鳴って叱るという指導が長年続き、経営者が黙認してきた」などとして和解が成立したということです。
ゴンチャロフは「二度とこのような悲劇を繰り返さないために、ハラスメント被害防止に向けた取り組みを行うとともに、恒常的な長時間労働の縮減に取り組む」としています。