神戸市灘区の王子動物園で病気で歩くことが困難になりながら飼育員の助けを借りてリハビリに取り組むガチョウがいます。その様子を取材しました。
軽い素材のフレームにバスタオルのシートで作った車いす。手作りのガチョウ用車いすです。
飼育員の手を借りてリハビリに励んでいるのが、ふれあい広場で暮らすオスのガチョウの「こうちゃん」。こうちゃんは去年まで広場のリーダーとして三羽いるガチョウを率いてきましたが、病気で歩けなくなり療養生活を送っていました。
ことし二十歳のこうちゃんは人間でいうと60歳くらい。ガチョウは、長くて30年以上生きることもあり、飼育員の鹿間さんは手作りの車イスを作ることを決意。
犬や猫などの「車イス」は今までにもありましたが、鳥には前例もなく完成には試行錯誤の連続で、最初に完成したのは木でできた車いす。しかしガチョウには少々重く、うまく歩くことができません。
そこで目を付けたのは、軽くてしなやか、強度も期待できる水道管用の塩ビ製のパイプです。
軽い素材自分用の車いすに乗った初日、こうちゃんはうれしさのあまり広場の周りをぐるぐる歩き回ったといいます。
飼育員の心のこもった車イスで懸命にリハビリに取り組むこうちゃん。近いうち、元気に歩き回る姿を見せてくれるに違いありません。