淡路島はむかしから線香の生産地として知られていますが島内の生産業者らは常に挑戦を続けています。
神子素カメラマンのレポートです。
神子素カメラマン「淡路島は国産の高級線香の生産地として知られ、去年170年目を迎えました。そんな中、今でも新しい挑戦が続けられています」
淡路市の西側、海沿いにある江井地区。
温暖な気候と乾燥した風が吹くこの地域は線香作りに適した土地として江戸時代後期から現在に至るまで高級線香を生産、国内で5割以上のシェアを誇ってきました。
ただ近年、冠婚葬祭の簡素化や安い外国製が出回ったことにより生産量が減少。業界団体によるとピーク時に比べ半分ほどに落ち込んだといいます。
そこで業界では新商品を開発し更なる挑戦を続けています。こちらがその一つ、新商品の「コウノトリ香(こう)」です。
先月、淡路島で孵化したヒナを記念して作られました。
神子素カメラマン「幸せを運ぶコウノトリ。どんな線香なのか見てみますね」
「こういう色の線香です。ものすごくいい匂いがしてきました」
コウノトリが好む水辺の草をイメージした線香は甘いだけではない多彩な香りで楽しめます。
淡路島線香株式会社「出来るだけお線香というイメージにこだわらないようにして若い人にも好まれるような香りを作ったつもりです。
それを皆さんに感じてもらえればありがたいなと思ってます」
また、こんな新商品も誕生しました。
神子素カメラマン「この度、島の業者がスクラムを組んで新しい商品を開発しました」
今までの線香のイメージをくつがえすモダンなパッケージで発売された新商品、「ル・マリアージュ」。
フランス語で「結婚」の意味の「マリアージュ」がつけられたこの商品。
淡路島にある14の線香業者が参加、業者それぞれが持ち寄り人の名前を付けた14種類の線香が一つにまとめられています。
セットにつく淡路瓦製の線香立てを使うと2本の香を同時に焚くことができ香りのハーモニーも楽しめます。
限定500箱で値段は3万3千円。
神子素カメラマン:「それではこのレネとレティシアを立ててどんな香りがするか試してみたいと思います」
「甘い香りがしますね。眠くなる感じです。うっとりする感じ」
商品は淡路島の業者たちで作る新ブランド「アワジ エンセン」の第一弾商品として企画されました。
フランス語で香りを意味する「エンセン」から付けられたこのブランド。
昔から香りを楽しむ文化のあるフランスなど欧米に線香の生産地、淡路島をアピールするため立ち上げられました。
兵庫県線香協同組合・吉井理事「お線香に関しては使っていただける方の事をしっかり考える事も大事ですし。メーカーとして淡路島に14社あるのでそれぞれが誇りをもって作っているのでしっかりとした良いもの、品質の良いものを世界に向け発信できたらと思う」
ブランドを立ち上げた兵庫県線香協同組合ではさらに海外向けの新しい商品を作り「日本の香り=淡路島」というイメージを定着させたいとしています。