神戸市中央区のポートアイランドにある「神戸どうぶつ王国」。
こちらに、ハシビロコウの国内飼育施設としては最大級の広さを誇る新エリア、ハシビロコウ生態園「Big bill」が完成しました。
テニスコートおよそ6面分もある広さには、緑豊かな湿地帯をリアルに再現。
熱帯地域に分布するガジュマルやアフリカの湖に生息するパピルスなど、室内であることを忘れるほどの植物が茂り、様々な命のつながりが形成する風景が目の前に。
動物園の1つの役割として繁殖というのがあります。
このハシビロコウは繁殖が非常に難しい鳥で、世界の動物園でもたった2例しか繁殖例がありません。
アフリカの湿地帯に生息するハシビロコウは、絶滅危惧Ⅱ種という絶滅寸前に分類されていて、日本では7園13羽しか飼育されていません。
神戸どうぶつ王国では推定8歳、気分屋のオスの「ボンゴ」、少し怖がりな5歳のメス「マリンバ」の2羽が飼育されていて、ここでアジア地域では初となるハシビロコウの繁殖を目指します。
ハシビロコウの繁殖期が雨季から乾季にかけてですので、その雨季を再現するために人工的に雨を降らしています。
効果に関してはどうなるか今後の話になってくると思いますが、まずはこういったことを進めていってハシビロコウの繁殖に繋げていけたらなと。雨を浴びるハシビロコウの凛々しい姿にも心が打たれますね。
こちらはハシビロコウを身近に観測していただける観察デッキです。
運が良ければここにいる姿もご覧いただけますし(ハシビロコウの)パピルスが茂る池には観察デッキがあり、ハシビロコウをより身近に感じられるのも見どころ。
この新エリアにはハシビロコウだけでなく、西日本で初登場の「ベニハチクイ」などが新たに仲間入り。
より一層、リアルなアフリカの湿地を感じさせてくれます。
「難しい挑戦ですが、成功すると日本で初めてになりますし、アジア圏でも初となります。
今すぐに繁殖するかと言われればそれはなかなか難しいですが、長い年月かけてちょっとずつでも進歩していけるように私たちは頑張っていきます」
この新エリアで目指す、アジア初となるハシビロコウの繁殖。
絶滅を救う新たな取り組みが、神戸どうぶつ王国で始まっています。