2021年04月16日(金曜日) 17:15 地域・まち

インドネシアの留学生 コロナ禍の旅立ち

神戸市兵庫区に暮らす、キンタンウマリ・プラバンダニさん(28)。2019年にインドネシアのジャワ島から留学でやってきました。

日本でしかできない体験をしようと、学校に通いながら、神社で清掃のアルバイトにいそしんでいます。

(キンタンさん)
最初は(仕事で)神社に入ることが大丈夫かなと思います。イスラムとかもっと厳しいルールがあります。日本の伝統文化が好きなので、最初からいろいろ勉強になりました。ことしは祭りとかはあまりないけど。

キンタンさんは、留学生活の中で、日本での就職を希望するようになりました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自らの日本語能力を証明するために必要な試験が一度中止となり、就職活動のスケジュールが大幅にずれ込んでしまいました。

(キンタンさん)
私のレベルが会社が見えるようにN2級のレベルの資格を持っていたらいいんですけど、今N3級しか持っていないので困っています。日本能力試験が漢字が多いので、だからがんばって勉強します。

キンタンさんが暮らすのは、留学生や技能実習生を受け入れるシェアハウス「やどかり」。運営する中野みゆきさん(37)は、新型コロナウイルスの影響で生活が困窮した外国人のサポートにあたっています。

この日は、春に卒業や就職を控えながら、先の見えない暮らしを強いられている人たちに向け、食糧支援を行いました。

(留学生)今、仕事ない。
(中野さん)その前は何のアルバイトしてましたか?
(留学生)工場。
(留学生)19日が(大学を)卒業するんですけど内定まだもらってない。

日本に来てからもうすぐ2年となる日、キンタンさんにうれしい知らせが届きました。チャンスをつかみ、試験に見事、合格しました。

春からは、企業に勤め、技能実習生をサポートする仕事に就くことになりました。関西での就職を希望していましたが、限られた時間の中で内定を勝ち取れた勤務先は茨城県。神戸の街とももうすぐお別れです。

この日は、やどかりのスタッフらによる送別会が開かれました。

(キンタンさん)
思ったよりも楽しかった。知らなかったこと、学んだこと。すごくラッキーだな、もし普通に留学してもこんなに機会がないから。
(中野さん)何かあったら帰ってきてください
(キンタンさん)さよならじゃないから、いつも神戸に戻れるから。ありがたい、すごく感謝してます。

(中野さん)
同じように不安を抱えて日本にとどまっている子もいますし、いつ帰れるか分からないと思いながら頑張ってる子もいるので、時運たちの団体だからこそできる支援の形を続けていきたいと思います。

異国の地で翻弄された暮らし。それでも、キンタンさんは前を向いて、新天地に向けて歩み始めます。

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