神戸港・第2突堤に整備されるアリーナのパース図
記者会見に出席した(左から)島田慎二・Bリーグチェアマン、(1人おいて)渋谷順・スマートバリュー社長、久元喜造・神戸市長/4月7日 (c)Smart Value
渡瀬吾郎・ストークス社長/4月4日 グリーンアリーナ神戸
改革を語る島田慎二・Bリーグチェアマン/4月7日
■1万人の民営アリーナ
男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)西宮ストークスは、2024年度に神戸港・第2突堤にオープン予定の新アリーナに本拠地を移す方針を明らかにした。
新アリーナは、ストークス運営会社の株主であるIT関連会社「スマートバリュー」などがコンソーシアムを組んで神戸市に提案し、優先交渉権者に決まった。
計画によると新アリーナは民設民営で、収容人数は1万人規模。プロスポーツのほか、コンサートなどのイベントも行われる。今秋に正式に事業がスタートし、2022年の着工、2024年度の完成オープンを目指す。
4月2日の計画発表記者会見に出席した神戸市の久元喜造市長は、「ランドマークとなる素晴らしい計画。ストークスが神戸に戻って来てもらえることを心から歓迎する」と述べた。
また全国にアリーナ新設を呼び掛けているBリーグの島田慎二チェアマンは、「神戸港の美しいウオーターフロントにあり、大きなインパクトをもたらす」と計画を絶賛した。
■懸案が解決
西宮ストークスの本拠地・西宮市立中央体育館は、収容人数などの条件が「B1ライセンス」を満たさないため、B1復帰を果たすにはアリーナ問題の解決が迫られていた。
来季のB1ライセンスの判定会議は4月に開催されるが、今回の“神戸アリーナ”計画により、西宮ストークスがB1ライセンスを取得するのは確実とみられる。
現在、チームはB2西地区の首位を走り、プレーオフ(5月に開催、8チームでトーナメント戦)への進出が決定している。
西宮がプレーオフで2チームを破れば4シーズンぶりのB1復帰が決まる。
一方、神戸移転に伴うチーム名の変更について、記者会見でストークスの渡瀬吾郎社長は「これから決める」と語った。
■誰もが楽しめる場所に
サンテレビは4月4日、西宮ストークス×バンビシャス奈良戦(グリーンアリーナ神戸)を生中継した。
放送に出演したストークスの渡瀬吾郎社長は、“神戸アリーナ”について、「高齢者、障害者、性別にかかわらず、たくさんの人が楽しめるようなアリーナを目指している」と思いを語った。
またB1昇格について、「一戦一戦、戦い抜いた結果が昇格につながる。一喜一憂することなく、しっかりと結果が出るまで進んでいきたい」と力を込めた。
■2026年に“新B1”
Bリーグは創設10年の2026年へ向けて大きな改革を計画している。
現B1の上位に“新B1”を新設。アリーナに加え、①売上高12億円、②平均入場者4000人の条件を満たすクラブが参入できる。
参入クラブ数に制限はなく(エクスパンション)、条件を満たす限り降格もない。
“神戸アリーナ”の記者会見後、島田チェアマンが報道陣にBリーグ改革について説明し、「単年成績のみによる昇降格を廃止することで、投資しやすくする。“新B1”は少なくとも10クラブ、多ければ18クラブぐらいでスタートしたい」と期待を語った。
<西宮ストークス>
2011年、「兵庫ストークス」として設立。西宮市に本拠地を移し、「西宮ストークス」としてBリーグに参入。初代B2チャンピオンとなり、B1に昇格したが1季で降格。所属選手は兵庫県出身の谷直樹、松崎賢人、道原紀晃ら12人。
(浮田信明)