22万人都市、宝塚。
3期12年市長を務めた中川智子さんがまもなく任期を終えます。就職氷河期世代の採用や、同性カップルを公的に認める制度の導入は全国的に注目を集めました。
福祉の充実を評価する一方、財政難や政策の偏りを指摘する声も聞かれます。選挙で問われるのは、中川市政の継承か刷新か。
宝塚市長選に立候補したのは、新人4人です。届け出順に、無所属で自民党から推薦を受ける元県議の森脇保仁さん。無所属で元自治会役員の末永弥生さん。日本維新の会に所属する元県議の門隆志さん。無所属で弁護士の山崎晴恵さんの4人です。
宝塚市議を4年、県議を18年務めた元県議の森脇保仁さんは、予算配分を見直すなど財政改革を第一に掲げます。
(森脇さん)
福祉医療的な事が多いと思うんですけど、見直していくという方針も出ています。それを市民に訴えていかないといけない。
森脇さんは、教頭のなり手不足など教育問題への対応や、道路・インフラ整備なども進めていきたいと訴えています。
事務所は自宅、活動を支えるのは家族。元自治会長の末永弥生さんは、身を切る改財政改革を公約にあげます。
(末永さん)
ひとつは偏った予算なので今後は予算の配分を見直す。
今市庁舎の建て替え25億円が喫緊の課題ですので、こちらを取りやめて経費の削減、こちらの方で市長の報酬を40パーセントカットということを掲げさせていただいていますので、財源を確保しつつ町の老朽化財政問題に着手いたします。
末永さんは市内約7割の小学校が築40年以上であると指摘。校舎に加え、道路やごみ処理場の老朽化を改善したいとしています。
日本維新の会で元県議の門隆志さんは、市職員の採用を減らし支出を抑えるなどの財政改革を提案。門さんは、武庫川河川敷などを活用して収入を増やすとともに、保育所や放課後児童クラブの充実、道路整備などに力を注ぎたいと訴えました。
(門さん)
硬直化した予算編成と言うところを変えていきたい。都市の魅力を高めていくために道路や駅前の整備が必要。ここにはきちんと予算を付ける必要がある。
一方、福祉にあつい街を守りたいと話すのは、弁護士の山崎晴恵さんです。中川さんの事実上の後継者とされています。
(山崎さん)
中川市長が大事にしたのは「みんな平等」。みんなこの街でいきいきと生活できるようにと障害者の方にも手厚く支援していた。人に寄り添う、人のためその思いがあるからこそ福祉にあつい街になっていった。
福祉にあついところは悪いことではないと思っていて、そこは引き継いでいきたい。変えていくというより足していく必要がある。
一方、山崎さんは、経済対策は見えにくい部分があったとし、再生可能エネルギーを活用した産業を生み出すなど独自政策も掲げています。
混戦が予想される宝塚市長選は、4月11日(日)投開票です。