2020年11月13日(金曜日) 11:56 地域・まち

福祉業界のおしゃれ番長~おしゃれのチカラで障害と福祉のイメージを変える

放課後等デイサービスみらい教室本教室。代表は平林景さん43歳。スカート姿が印象的な、人呼んで「尼崎のおしゃれ番長」です。

(放課後等デイサービスみらい教室代表 平林景さん)
モードっぽい感じを出しつつエレガントさも出したいと。安定のスカート。

尼崎市内で4つの放課後等デイサービスを運営しています。放課後等デイサービスとは療育施設と呼ばれ、発達障害のある子などが通う場所です。

(平林さん)
福祉って明るい未来を感じられる施設にする必要がある。とびきりおしゃれに。

こちらはなんと希望者が100人待ち。その人気の秘密は療育では珍しい1対1の形式。マンツーマンで長所を伸ばします。

平林さんは美容師として7年務めた後アトピーがきっかけで退職。その後東京の美容専門学校の教員に。その学校法人で発達障害の子などが通う「こどもみらい園」を1年かけ設立。その理由は?

(平林さん)
自分の身近な人に発達障害を持った方がいたので、そういう人たちが通えるようにつくりたいと。
発達障害の子の長所と短所があるが、長所を強烈に伸ばせるような学校があったらおもしろい。

その後これまでの経験をいかし、尼崎で放課後等デイサービスを立ち上げ、わずか3年で4教室を展開しました。先生は全員正社員。働きたくなる職場づくりの一環です。

(平林さん)
福祉は3K、きつい・汚い・危険を変えたい。3Kを3I、イケてる・生きがいがある・いい仕事だと。

平林さんの日課が始まりました。スカート姿を毎日自撮り。SNSへの投稿を欠かしません。でもなぜ、スカート姿なのでしょうか?

(平林さん)
障害という偏見を変えられないで世の中を変えることができない。身近な偏見って何かなというと男性のスカート。僕にとってこのスカートは、世の中の偏見に切り込むための戦闘服。

平林さんは大阪市内のテーラーに向かいました。何を始めるのでしょうか?

(平林さん)
ここはパリコレに出るために来た。障害があるからこそかっこよくなれる服を作る。
車いすとパラファッションでパリコレをランウェイしようと。

なんと平林さんの次なる目標は来年のパリコレ出展。この日、廃生地を活用した服の試作品が完成しました。

試行錯誤を経て完成したのは車いすに座ってもシワにならない、丈の短いジャケットです。

(平林さん)この丈正解ですね。ラインが崩れない。座っても。こんなジャケット見たことない。

(ORDER MADE LIFE 福井彩恵さん)
洋服の力を使って福祉の業界を元気にしたいという想いで。
想いを持って服作りに携わっているところが一番共感したところ。

すでに完成している作品もあるそうで、見せていただきました。

(平林さん)
男性でも女性でも、障害があってもなくても、皆が履ける巻きスカート。
(車いすの方感想は)めっちゃ喜んでくれました。これはエエと。何でこんなん今までなかったんやろうと。

平林さんは知人の「車いすのため試着に気兼ねし、おしゃれをあきらめた」という言葉をきっかけに一念発起。仲間と洋服のブランド「ボトモール」をプロデュース。去年11月に一般社団法人日本障がい者ファッション協会を立ち上げ、パリコレを目指すことになりました。

(平林さん)
4年前にご自身のブランドでパリコレに行かれた方がいた。その方に運よく合えた。どうやったらパリコレに行けるか聞いた。
会場代であったりモデルさんの費用、エージェントへの費用であったり、宿泊費、もろもろ合わせて1000万位かかる。

早速、平林さんは行動に出ました。福祉に理解のある茨木市長を通じて、パリの会場を借りられるようフランス領事館に親書を送ることにしました。

(平林さん)
障害者ファッションでパリコレに出れば最先端になる。誰もやったことがない。

おしゃれの力で福祉を変える。覚悟と志を持った40代。尼崎のおしゃれ番長がパリコレに挑むことができるのか、挑戦の日々が続きます。

(平林さん)
福祉におしゃれを掛け合わせて世の中の障害や福祉業界に対するイメージを明るく華やかなイメージにするというのが生涯をかけたミッション。

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